研究概要 |
高品質化環境における管理図法の開発を目的とした本研究の平成14年度の研究実績を以下に挙げる. 1.高品質工程用統合管理図の構築:我々が既に考案した高品質工程で工程管理状態から不良率が悪化あるいは良化のいずれの方向へ微小に変化した場合でもその変化に対する検出特性に優れ、汎用性のある高品質工程用管理図CS_<ccc-r>管理図の検出特性のさらなる向上を目的として,CS_<ccc-r>管理図と不良品r(≧2)個が観測されるまでの累積検査品数を品質特性とするccc-r管理図とを統合させた高品質工程用統合管理図を構築した.2.計測誤差を考慮したCS_<Y^^--S^2_r>管理図の構築:品質管理を実際の現場で適用する際,品質特性の計測において無視できない計測誤差が生じることがある.そこで、工程管理状態からの平均および分散の変化が微小な高品質化環境下でも、その検出特性に優れるCS<Y^^--S^2_r>管理図に対して計測誤差を考慮した管理図法を考案した.3.少数サンプル用CS_x^^-管理図の構築:工程から得られるサンプル数が少数で,それら少数サンプルから算出される母平均および母分散の推定値を用いて,工程管理状態からの平均の微小な変化に対する検出特性に優れるCS_x^^-管理図を設計した場合でも,第1種の誤り確率(危険率)の実現値に対する精度に優れた,少数サンプル用CS_x^^-管理図の構築を行った.4.動的CCC-r管理図の最適設計:工程がいずれの工程にも対応できるように故障率が時間とともに変化するという工程をワイブル分布を用いて扱い、CCC-r管理図の設計パラメータである観測不良個数,サンプリング間隔,管理限界を時間に対して動的に変化させ,単位時間あたりの工程期待利益を最大化するCCC-r管理図の最適設計の開発を行った.ここで行う管理図の最適設計パラメータの探索にはかなりの時間を要することが予想されたため,高速処理が可能なパーソナルコンピュータを平成14年度の設備備品費で購入した.
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