研究概要 |
高品質化環境における管理図法の開発を目的とした本研究の平成15年度の研究実績を以下に挙げる. [1]高品質工程へのCS管理図の適用とその経済設計(An Application of Confirmation Sample Control Chart to the High-Yield Processes and its Economic Design):本研究では不良品がr個観測されるまでの累積検査品数を品質特性とするCCC(Cumulative Count of Conforming)-r管理図にCS(Confirmation Sample)管理図の設計法を適用することにより,不良率が工程管理状態から悪化あるいは良化のいずれの方向へ微小に変化した場合でも,その検出特性に優れるCSccc-r管理図を提案した.併せて,CSccc-r管理図につき経済性の観点から観測不良品数rおよびサンプリング間隔と管理限界の最適設計についても考究した. [2]高品質工程用統合管理図の改良(A Modified Synthetic Chart for High-Yield Processes):本研究では平成14年度に開発したCSccc-r管理図とCCC-r管理図とを統合させた高品質工程用統合管理図につき,そのさらなる性能向上を目的とした改良設計を行った.これにより統合管理図は指定した危険率をより精度よく実現し,そのことにより不良率の変化に対する検出特性もさらに優れることが数値検証から実証された. [3]高品質工程用統合管理図の経済設計(Eoonomic Design of a Synthetic Control Chart for High-Yield Processes):上記[2]で扱った高品質工程用統合管理図では,一般に高品質工程ではより多くの検査品を工程から採取する必要があり,検査コストは大きくなる傾向がある.そのため,高品質工程用統合管理図においても検査を経済的に行うことが重要となってくる.本研究では,管理図の経済的な運用にあたり,工程母不良率における変化を検出する際に要する各種コストの分析をもとに,コストモデルを構築し,単位時間当たりの期待コストを最小化する高品質工程用統合管理図の設計法を提案した. 最後に,平成14年度に研究開発を行い,研究実績報告を行った"少数サンプル用CS-__x管理図の構築(CS-__x Chart for A Small Number of Subgroups)"については学術論文誌に掲載された. 詳細は11.研究発表論欄で報告する.
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