研究概要 |
本研究課題では下記の主要2項日計13研究課題の研究開発を平成14年度から平成16年度の3年間にわたり進め、研究成果を得た。 1.高品質工程で、小サンプルサイズでの工程平均、PPMレベルでの不良率・欠点率の品質特性値が工程管理状態から悪化、良化のいずれの方向へ微小に変化した場合でも、検出特性および指定した危険率に対する実現値の精度に優れた、汎用性のある高品質工程用管理図を構築した。Shewhart型管理図であるX^^--R管理図、p管理図およびc管理図の高品質工程での適用が困難であることから、そのような工程での代替管理図としての使用が大いに役立つと確信する(11.の論文標題1,2,3,5,6,7,9,11,12,13)。 2.上記1.で開発した管理図に対して経済性の観点から、工程の故障率が時間に対して変化する動的な工程を想定し、1工程単位時間当たりのコスト最小化あるいは工程期待利益最大化を目的とした高品質工程用管理図の最適設計法を開発した。1.で開発した管理図を用いて経済的に高品質工程の管理・運用が必要とされる場合、ここで開発した工程が静的あるいは動的である場合を扱った経済設計法は経済的な管理図設計に大いに役立つと確信する(11.の論文標題4,8,10)。 今後の展開として論文標題13で開発したEWMA_<CCC-r>管理図の検出特性向上を目的とし、論文標題1での統合CS管理図の設計手法をもとにCCC-r管理図との統合EWMA管理図の開発が考えられる。統合EWMA管理図は過去のデータの傾向を考慮しない統合CS管理図およびにEWMA_<CCC-r>管理図単独使用に比べ、検出特性が優れると期待される。さらに,統合EWMA管理図の経済設計の開発も必要とされるため,論文標題4,8と10をもとにその開発を行うことが今後の課題として残されている。
|