研究課題/領域番号 |
14580486
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
有賀 裕二 中央大学, 商学部, 教授 (40137857)
|
研究分担者 |
小田 宗兵衛 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
生天目 章 防衛大学校, 情報工学科, 教授
青木 統夫 中央大学, 商学部, 教授 (60087020)
小山 友介 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助手 (80345371)
秋山 英三 筑波大学, 社会工学系, 講師 (40317300)
|
キーワード | 華厳ゲーム / 社会ゲーム / 確率過程 / 突然変異 / 群衆行動 / プレイヤーの内的認知 / Coupled Dynamical Recognizer / ネットワーク実験 |
研究概要 |
1.研究経過の報告:(1)「分析枠組みの見通し」:ゲームは当初、プレイヤーの個々の判断に左右されるが、そこで発生する履歴に依存して決まる確率過程としてみるとき経路依存性が働く。まず、確率過程で経路独立的過程、経路依存的過程の二通りに分類する。経路独立的過程で「突然変異の発生」について青木正直(UCLA)の研究がある。一方、経路依存過程の研究にはB.W.アーサーの研究『収益逓増と経路依存』がある。有賀はアーサーの論文集全訳を行い経路依存過程に詳細な見通しを与えた。青木統夫は経路依存確率過程の厳密な定義を与えた。(2)「プレイヤーの内的認知」:これまでのゲームは利得構造などの外部世界構造の記述に力点を置いてきた。秋山英三はプレイヤーの内部構造、特に、相互作用の中での個人の認知・意思決定に関する理論形成の研究を行った。この観点から、Coupled Dynamical Recognizerを用いて「華厳ゲーム」にシミュレーションを開始した。(3)「社会ゲームのネットーワーク実験」:生天目はマイノリティゲーム、寡占ゲームについてネットワークゲームの実験環境を構築し、群衆行動の変異、収入曲線の推定の可能性を調査できるようにした。また、ゲーミングでエージェントによるリスクの考慮についての研究を開始した。(4)小田宗兵衛は小山友介とともに市場のミクロ構造の実験、また、小山は公共財供給ゲームの実験的接近の研究を進化させ、数理社会学会、日本シミュレーション&ゲーミング学会などで継続的に発表を重ねた。CS02で小田は国際的な実験経済学セッションを組織した。 2.科研費共催研究集会CS02の開催;研究計画申請にもとづき、生天目、David Green(Monash Univ.)、有賀の三人を共同議長として2002年9月9日-11日中央大学で第6回複雑系国際会議The 6th International Conference on Complex Systems : Complexity with Agent-based Modeling(CS02)を開催、複雑系科学の枠組みのなかで社会ゲームの研究と応用を国際的に議論する発展させることに成功を収めた。約60名の参加。海外参加者は三分の一を占め、発表者の棄権も発生しなかった。ゲストは塩沢由典(大阪市大)、Terry Bossomaier(Charles Surt Univ.)、青木正直(UCLA)、Dirk Helbing(Dresden Techincal Univ.),Mauro Gallegati(Univ.Ancona, Italy)。詳細は会報告集Proceedings(eds.A.Namatame, D.Green, Y.Aruka,426pp.)を参照。
|