研究概要 |
本研究ではフィールドデータの特徴を考慮した統計的解析方法を検討した.少数データにもとづく推定問題とPOSデータに代表されるマーケティング分野における大量データの統計的扱い方について研究した. 少数データの代表となる医療現場では,治療効果をできるだけ早期に判断するためには,少数データから何らかの結論を出さなくてはならない.平成14年度は,少数フィールドデータの例として医療データについて統計的な立場から,肺癌患者の症例を基に,治療方法と余命の関係を検討した.患者のQOL(Quality of Life)を考慮した治療方針を立てる際に役立つ,治療方法と余命の関係を検討すると共に,それをまとめた表記法の提案を行った.平成15年度は,Bootstrap推定法を用いて,寿命にワイブル分布を仮定した母数の推定を考えた.その際少数データであり,かつランダムセンサードデータを仮定した.そしてその推定方法について,MSEの観点から推定精度を検討し,適用例として肺癌患者の医療データを採り上げた.平成16年度は,少数データのための加速寿命試験による推定問題に関してWeibull分布を仮定した研究を行った. 大量データの統計的扱い方にっいては,顧客との長期的な関係を重視したCRM(Customer Relationship Management)の実現に向けたマーケティングデータの分析と活用方法の中で検討した.平成14年度は,実際に企業のマーケティングデータを基に,一連の検討手順を小売店舗のマーケティング戦略における意思決定支援のための統計的方法論として提案した.平成15年度はネットスーパーにおけるCRMについて,大量の顧客データのセグメンテーションを行うことより検討した.平成16年度は,フードサービス業界を例にしてマーケティングにおけるナレッジマネジメントに関して今までの研究をまとめた.
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