研究概要 |
電子商取引(EC)におけるwebサーバアクセスオペレーションの性能評価法を確立するためには:(1)ECアプリケーションユーザがproxyサーバを介して,webサーバにアクセスする手順(プロトコル),オペレーションを詳しく調べ,モデル化する問題;と(2)モデル化したオペレーションを待ち行列理論を用いて解析する問題とがある. 本年度前半は,研究実施計画どおり,問題(1)におけるwebサーバにアクセスする際のプロトコル・オペレーションをサーベイし,モデル化において本質的と思われるシステム挙動を明確にした.と同時に,問題(2)におけるモデル化を検証(妥当性を確認)するためのシミュレーションを作成した. 補助金により,個々(マザーボード,CPU,メモリ,ハードディスク,PCケース,PCタップ等)の部品を購入し,報告者の所属部局(早稲田大学商学部)では最も高速でメモリ容量の多いコンピュータを組立てた.但し,マザーボードに障害があったため,組み立てにかなりの時間を費やしてしまった. 本年度後半は,シミュレーション実験をやや遅ればせながら実施する一方,研究実施計画どおり,問題(2)を取り扱った.webサーバへのアクセス要求をポアソン過程と見なし,proxy/webサーバにおける内部処理時間は極めて高速であるためゼロと見なす,待ち行列モデルを設定・提案した.本提案モデルを残余仕事量に着目したマルコフ解析を行なった.その結果,所要の評価尺度(ECアプリケーションユーザの応答遅延時間)を求めることに成功した.この成果を国内学会(2002 PC Conference)に発表した.更に,実験結果を加え,学会論文誌に投稿する予定である.
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