研究概要 |
本年度は,組織の進化的学習過程として,組織学習のダブルループ学習のシミュレーション,組織構造の環境適応モデルの構築とシミュレーション,およびエージェントベースアプローチによる消費者行動モデルの構築とマーケティング分野への応用を主に行った。 組織学習のモデルとして,ネットワーク型ハイパーゲームを拡張した分配モデルを定式化し,組織学習におけるシングルループ学習とダブルループ学習を分配モデルにおけるエージェントの係数の相互学習によりシミュレートした。 組織構造の環境適応モデルとして,組織が自律的・動的に組織形態を選択することで環境に適応する,環境適応型の組織構造のエージェントベースモデルを構築した。また,組織と環境の相互作用を計算組織理論の考えに基づくタスクベースの作用としてとらえ,環境に適応した組織構造を組織が学習していくプロセスの表現を逆シミュレーション手法によって実現した。 また,消費者集団における選好関数の進化,学習過程をモデル化し,進化的シミュレーションを行った。本年度は消費者の異質性と選好の動的変化を考慮するために高橋により提案されたエージェントベースアプローチによる消費者行動の分析枠組みを応用して,消費者行動のシミュレーションモデルを構築し,優良顧客の特性を抽出するモデルの枠組みを提案し,自動車を分析対象としてシミュレーション実験を行い枠組みの有効性を検証した。 これらの研究成果について,国際学会,国内学会等で発表をした。
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