研究課題/領域番号 |
14580499
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研究機関 | 長野県短期大学 |
研究代表者 |
下平 佳江 長野県短期大学, 生活科学科・人間工学研究室, 助手 (80261098)
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研究分担者 |
大橋 信夫 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (50203899)
加藤 麻樹 長野県短期大学, 講師 (00312166)
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キーワード | 高齢者 / 村役の負担軽減 / 地域運営システム / PC / 情報通信 / 農業 |
研究概要 |
本研究の目的は、過疎化と高齢化が同時に急速に進行するために、古くから伝統的に地域社会の運営に大きな役割を果たしてきた種々の村役が、村民にとって大きな負担となっていることに着目し、その負担軽減に有効な具体策を模索することである。 前年度の調査では、高齢者にとってPC利用が可能になる方法を検討することを目的に、農業出荷作業へ試験的にPC利用を導入し、高齢者がPCを使用する際に問題となる点を抽出した。 本年度は、ネットワークの中でPCを利用することによって村役に関する情報伝達業務の負担を軽減することを目的に、区長、老人会長、公民館長など、村役に従事する高齢者8名(男性6名、女性2名)を対象に、3ヶ月間に渡り8回のPC講習会を実施した。調査対象地は昨年に引き続き長野県中条村で、対象者のPC使用経験は無く、平均年齢は、男性は74.3歳、女性は66歳であった。 講習内容は、最初にゲームソフトを用いてマウス操作を習熟させ、キーボードによる日本語入力ができるようにした後に、インターネットでHPを閲覧し、受講者どうしでメールを送付しあうなど、受講生が興味を継続できるようにした。使用PCは同機種に揃え、マウス操作のダブルクリックが困難な者にはトラックボールに変え、説明に使用する言語もなるべく日本語に置き換えるなどの配慮が必要であった。高齢者の中にはキーボードの英語表記やウィンドウズ画面に示される英語の意味が分からず操作が止まってしまう場面も見られた。また講習によって集まる受講者同士のコミュニケーションが継続的なPC利用のモチベーション向上に寄与することがわかった。 講習会後は、受講生の自宅に使用したPCを設置し、継続して利用できるようにしたので、来年度は、実際に村役の情報伝達などに利用してもらい、高齢者にとって使いやすい環境を構築しつつ、村役の負担軽減の具体的な事例として、まとめる予定である。
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