(1)雷雲電荷分布推定アルゴリズムの開発 先の科研費(平成9〜10年度)の成果及び前年度の科研費の成果を踏まえて、地上の多地点で観測される電界データから雷雲電荷分布推定法を検証した。その際、電荷分布を点電荷群でモデル化し、実用の場合を考慮してできるだけ少数の観測点から推定することを目指した。その結果、ニュートン法とウェーブレット変換を併用した反復手法により、推定すべき電荷分布の未知数より少ない観測点の場合でも、電荷の位置及び電荷量がほぼ推定できることが明らかにされた(平成15年9月口頭発表)。また、ニューラルネットワーク法を用いて同様の推定を行ったが、ウェーブレット変換法に比べて推定精度が悪化した。現在、より高精度の推定法を検討している。 (2)電界観測装置の改良 設備備品費で購入した装置により、水平方向の電界が測定可能かどうか検討した。その結果、回転電極を利用することにより従来のフィールドミル型電界測定装置と同程度の精度で水平方向電界が測定可能であることが明らかになった(電気学会論文誌に公表)。
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