研究概要 |
2002年10月に駒ヶ岳火山防災会議協議会の協力を受け、1,017名を対象に防災意識とその規定因と考えられる類似イベントや地域構造特性を調査した(回収率は43%)。15年前と比べて関心や不安は高くなっていることが実証された。67%が大噴火が近いうちに起こると考えている。毎日の暮らしの関心事の中で、83%が噴火を第1位か第2位にあげており、自宅が非常にあるいはかなり危険と、67%が考えている。その最大の原因は、96年からの一連の小噴火と2000年の有珠山噴火災害であり、家族や仕事関係、近所の人の間で話題となり、その結果関心や不安を高めている。 防災ハンドブックも3分の2の人で活用されており、72%が関心を高めたと評価している。85%が配布時に毎回目を通しているが、半数はざっと目を通すだけであった。このため、危険区域については充分に伝わっているとは思われず、3割の人が知らないと回答している。また、予知の可能性については、虻田住民と比べると悲観的であり、先回調査よりも予知は不可能とする人が増加しており、これもパンフレットや講演会等防災教育の効果であると考えられる。そうでありながら、過半数が避難勧告待ちであり、火山性地震だけで避難する人は14%にとどまる。 町内会役員に対する聞き取り調査でも、上記の傾向は確認されたが、地域差も存在した。詳細は15年度に実施するが、過去の災害が生々しく伝承されている地区ほど関心も高く、町内会長を支える防災リーダーの存在も大きいことが示唆された。
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