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2003 年度 実績報告書

Acid shockの寒候地と暖候地の違いと溶存イオン流出の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580510
研究機関長岡工業高等専門学校

研究代表者

佐藤 和秀  長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (80113398)

研究分担者 山口 肇  長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (00042747)
畑 勝次  長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30042758)
キーワード酸性雪 / pH / acid shock / イオン濃度 / 融雪
研究概要

全国的に酸性雨が観測され、長岡市でも年平均pH 4.5前後の降水があり、pH値は年々小さくなっている。特に冬期は季節風の影響で、大陸起源と思われる化学成分を多量に含んだ降雪がある。北欧や北米などでは融雪時、酸性度の高い水が流出し河川、湖沼や森林へ大きな影響を及ぼし、acid shockとして恐れられているが、日本での実態は良くわかっていないため、本年度は以下のような調査研究を行った。
1.フィールド観測
日本の寒候地と暖候地の酸性雪の実態を解明するため、本年は寒候地の山岳積雪として2月に蔵王山と3月に妙高山で積雪断面観測を実施し、積雪サンプルを得ることが出来た。また、暖侯地として長岡市の本校で、年間を通して1日1回の降水の採取を行った。これらの試料のpH値、導電率、イオンクロマトグラフによる化学主成分の解析を行った。蔵王の積雪は解析中であるが、長岡、母子里、妙高を比較すると、pHは4.3、3.9、3.9となって、3地点とも非常に酸性度の高い積雪が降り注いでいることがわかる。長岡の総イオン量は母子里の約1.7倍、妙高の約3倍であった。酸性雪の主な原因となる硝酸イオンについて当量イオン濃度で見ると、長岡は母子里の1.7倍、妙高の4倍、非海塩硫酸イオン濃度は、長岡は母子里の1.5倍、妙高の2.2倍の濃席であった。長岡はユーラシア大陸からの汚染物質の他に周辺の汚染物質もかなりの影響が推察される。
2.積雪の融雪実験
融雪に伴う融雪水の化学成分濃度と積雪層の変質過程について、イオン種の違いによる融雪排出速度の異なる理由を探るため、本校の低温実験室で、以下のような融雪実験を実施した。結合水と自由水の融解温度、融解エネルギーのイオン種、濃度による相違を分析し、酸性物質の融解・凍結のしやすさとの関連を探るため、溶存イオンの異なる融雪水の熱分析を行った。イオン種の違いによる融雪排出速度の違いがやはり見られたが、異なる積雪による差がみられ、イオン種間の関係の他にイオン濃度とも関係あるらしく、統一的な理由を見いだすことは出来なかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐藤和秀: "熱分析による融雪時の溶存イオン水の熱的挙動解析の試み"2002年度日本雪氷学会全国大会講演予稿集. 118 (2003)

  • [文献書誌] Koichi Watanabe: "Post-depositional modification of magnesium in the S25 core, near the coast in East Antarctica"Bulletin of Glaciological Research. 19. 33-36 (2002)

  • [文献書誌] 的場澄人: "新潟県長岡市の冬期の降水中に含まれる重金属元素"2003年度日本雪氷学会全国大会講演予稿集. 109 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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