研究課題/領域番号 |
14580511
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平田 孝道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80260420)
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研究分担者 |
畠山 力三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00108474)
大原 渡 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312601)
金子 俊郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30312599)
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キーワード | 反応性プラズマ / 超強磁場 / 反応性プラズマ制御 / カーボンナノチューブ / 単独成長 / イオン衝撃 / イオンシース電界 |
研究概要 |
カーボンナノチユーブ(CNTs)形成・成長のための高周波(RF:13.56MHz)反応性グロー放電プラズマは、真空容器中心に設置されたニッケル製円筒RF電極と真空容器の間で生成した。更に、超電導マグネットによる最大4Tの強磁場(Bz)を電極表面と平行方向に印加することにより、マグネトロン放電形態による実験を行った。実験結果は、以下の通りである。(1)RF反応性グロー放電プラズマの印加磁場依存性について ●弱磁場の場合、RF電極に発生する自己バイアス電位V_<RFE>は、熱速度の大きい電子がイオンよりも拡散しやすいために負(Bz【approximately equal】0T時に約-140V)になるが、磁場強度を強くすると電子の径方向への拡散が抑制され、RF電極に入射する電子とイオンの流入量が等しくなり、Bz【approximately equal】0.2Tの時にV_<RFE>が0Vとなる。さらに強磁場になると、RF電極への流入量が電子よりもイオンの方が大きくなり、V_<RFE>が正になる結果が得られた。 ●電極に入射するイオンのシース電界による加速が、CNTs形成に重要な役割を果たすと考えられるため、プラズマ空間電位φ_SとV_<RFE>の差で与えられる|Vsh|(【approximately equal】V_<RFE>-Φ_S)について調べた。φ_SはBzにより大きくは変化しないため、|Vsh|はBz=0.1〜0.2Tで極小値を持ち、この時RF電極前面のシース電界が極小となることが判明した。 (2)CNTsの形成実験と印加磁場強度の関係について ●P_<RF>=1400W、P_<GAS>=0.1Torr、放電ガス混合比CH_4:H_2=9:1の条件でCNTs形成実験を行った結果、いずれの磁場強度においても、直径約200nmのCNTsがRF電極表面に確認された。更に、CNTsは|Vsh|が小さい領域よりも、大きい領域において、配向性を有して成長する傾向が見られ、CNTsが|Vsh|により形成される強いシース電界の影響を受けたものと考えられる。
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