研究課題/領域番号 |
14580517
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長崎 百伸 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (20237506)
|
研究分担者 |
佐野 史道 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (70115856)
大引 得弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (60026060)
吉川 潔 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (00027145)
岡田 浩之 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (50169116)
水内 亨 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (20135619)
|
キーワード | 電子サイクロトロン共鳴加熱 / 電子バーンシュタイン波 / カットオフ / モード変換 / 非誘導電流駆動 |
研究概要 |
電子サイクロトロン共鳴加熱は磁場閉じ込め核融合において有効なプラズマ生成・加熱方法であり、MHD不安定性の抑制・非誘導電流駆動・熱輸送の解析等にも用いられている。ECHには通常、一回吸収率の良さからO-mode、X-modeといった電磁波モードが選択されてきたが、これらのモードにはカットオフと呼ばれる密度上限があるため、カットオフ密度を越えたプラズマでのECHの適用を阻んできた。この問題を克服し、より高い密度へのアクセスを可能とする手段の一つとして電磁波から静電波へのモード変換が考えられる。電子バーンシュタイン波(B-mode)には伝搬に密度上限がなく、また、電子サイクロトロン共鳴層にてほぼ100%吸収されるという長所を有している。O-X-BあるいはX-B加熱はプラズマ加熱の密度領域を格段に広げ、さらには強くドップラーシフトする特徴を生かし、従来の非誘導よりも数倍高い電流駆動効率を期待することができる。本研究の目的は、B-modeを用いた新しい加熱手法及び電流駆動方法について実験的及び理論的に調べることである。 今年度研究成果としては、1.プラズマ閉じ込め装置ヘリオトロンJでの電子サイクロトロン共鳴加熱実験において、プラズマ中心領域に基本波び高調波の電磁波共鳴層が存在しない条件(ω=1.5ω_<ce>)において、第2高調波X-mode中心加熱(ω=2ω_<ce>)と同程度の蓄積エネルギーの増加が観測された。電子密度は4×10^<19>m^<-3>においてもプラズマは放射崩壊せず維持することができており、基本波O-modeカットオフ密度またはそれ以上の密度に達している。上限密度は入力パワーによって決定されるベータ限界と関係しているものと思われる。また、ECHプラズマで通常観測される粒子排出現象が発生せず、粒子閉じ込めの良い状態となっており、密度制御が容易である。 2.この特異な加熱現象を解明し、また、B-modeによる電流駆動を調べるため、幾何光学近似を用いたレイトレーシングコード開発を進めた。この計算コードはX-Bモード変換を取り扱うことができ、B-modeの伝搬・吸収を解析することが可能である。まず単純トーラス配位を適用し、X-modeからB-modeへのモード変換、B-modeの伝搬とドップラーシフトしたパワー吸収を求め、コード基本設計思想の妥当性を確認した。
|