研究課題
基盤研究(C)
電子サイクロトロン波共鳴加熱(ECRH)には、通常、伝搬モードは正常波(O-mode)・異常波(X-mode)といった電磁波が用いられるが、電磁波にはカットオフと呼ばれる密度上限があり、高電子密度領域ではプラズマ中を伝搬することができない。電子密度に関係なくプラズマ中を伝搬できる波として電子バーンスタイン波(EBW)があり、カットオフ密度が存在しない、低電子温度(〜10eV)においても吸収係数が高いという長所を有する。本研究では、トーラス配位におけるEBW加熱の可能性について検討するため、レイトレーシング計算コードを開発しパワー吸収分布について調べた。計算結果はパワー吸収分布のプラズマパラメタ依存性が弱いことを示し、実験においてO-X-B加熱を実証するのには好都合である。ヘリカル系では、遅波X-Bモード変換加熱は、その磁場形状から入射角をトロイダル方向に傾けることによって弱磁場側ポートからの入射によって可能である。球状トーラスでは、プラズマ誘電率が高いため通常の電磁波を用いたECHの利用は困難であり、EBWによる加熱・電流駆動が重要な役割を果たすことになる。ヘリカル系と同様、O-X-B加熱は可能であり、プラズマパラメタ、磁場に対する依存性を得た。プラズマ実験では、ヘリオトロンJやLHDにおいてX-Bモード変換による加熱が観測された。ヘリオトロンJでの実験では、コアプラズマ領域に電磁波共鳴層が存在しない条件においても第2高調波X-mode加熱と同様の蓄積エネルギー1kJを超えるプラズマを維持することができている。LHDではトロイダル角方向に斜め入射することにより、X-Bモード変換によるEBW加熱を示唆するデータが得られた。FFT解析では、ECR層から低磁場側でピークした狭いパワー吸収分布が得られている。
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