研究課題/領域番号 |
14580518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
多幾山 憲 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40112180)
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研究分担者 |
尾田 年充 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (60034550)
難波 慎一 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00343294)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | プラズマ診断 / 電場計測 / ヘリウム準安定原子 / ヘリウム原子ビーム / レーザー誘起蛍光法 / ペニング放電 |
研究概要 |
磁場閉じ込めプラズマ周辺に発生する径方向電場は、プラズマ閉じ込めに重要な寄与をする。我々は空間的・時間的に高い分解能と優れた感受性を有する電場計測法を開発してきた。この方法は一重項ヘリウム準安定励起原子(2^1S)のシュタルク禁制線をレーザー励起し誘起される蛍光の偏光度から電場を決定するものである。従って、この方法をヘリウムを含まないプラズマに適用するためには、プラズマ中に原子プローブとしてのヘリウム準安定原子を送り込む必要がある。本研究では、その手段としてヘリウム超音速原子ビーム源の開発を行った。得られた成果は以下の通りである。 1.高速電磁バルブとスキマーを組み合わせて、小型He原子ビーム源を製作した。様々な条件下でビームを生成し、その時間・空間的特性を高速イオンゲージを用いて測定した。その結果、小型ビーム装置固有の問題であるバルブ・スキマー間にガス噴射直後に立ち上がる残留ガス隗が超音速ビーム形成に及ぼす影響を明らかにし、良質の超音速ビーム生成及びその制御に関する指針を見出した。また、バルブ性能のほぼ限界に近いパルス幅の短パルスビーム生成にも成功した。本研究で開発したビームの特性は、パルス幅〜0.2msの場合、スキマーから20cmの位置でHe原子密度は最大5.4x10^<13>cm^<-3>、ビーム速度約1.7km/s、ビーム径は約4mmであった。これは本研究における目標値を満足するものである。 2.生成したヘリウムビームをパルス的に放電させることによって、ビーム中に比較的高い温度のプラズマを導入できること、および放電電圧によってプラズマ温度を制御できる可能性を、ビームからの発光スペクトルを観測することによって実験的に示した。ビーム励起法としてはペニング型放電を用いた。今後の課題は、準安定原子密度の計測を行い、励起効率と放電条件との相関を明らかにすることである。
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