研究概要 |
研究目的:相対論を考慮した電子と多価いおんの励起過程の研究を行う。 研究実施結果: 1.昨年度の水素様イオンの電子衝突による微細構造遷移間の励起過程に続いて、水素様のプロトンによる断面積の研究を行い、日本物理学会の欧文誌に発表した。相対論的な取り扱いで生じる微細構造遷移間の励起断面積を半古典論的な緊密結合法により研究を行った。イオンはHe^+、C^<5+>、Ar^<17+>におけるn=2の準位間の遷移について計算した。 2.相対論的なR行列法を用いて電子衝突によるヘリウム様の励起過程の研究をS^<14+>,Ar^<16+>,Ca^<18+>、Fe^<24+>について研究し、ストックホルムで開催された「第23回原子衝突国際会議」でその成果を発表した。 3.マグネシウム様イオンの励起過程の計算を行う前段階の研究として、電子衝突によるマグネシウムの励起過程の非相対論的計算を行い、ストックホルムで開催された「第23回原子衝突国際会議」でその一部の結果を発表した。この系の全ての成果は、日本物理学会の欧文誌に掲載されることとなった。具体的には、量子論を基にしたR行列法により、標的の状態として24,32及び38状態を考慮してその収束の傾向を研究し、基底状態から3s3d ^1D状態への遷移における微分断面積とストークスパラメータの計算を行った。 この後、この系の多価イオンについて相対論的な研究を進め、その成果は英国の物理学会誌(J.Phys.B)に掲載される予定である。
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