研究概要 |
研究目的: 相対論を考慮した電子と原子及び多価イオンの励起過程の研究を行う。 研究実施結果: 1)本年度は、初年度から研究を継続して研究している電子衝突による多価イオンについて、英国の海外共同研究者であるBerrington教授(シェフィールド・ハラム大学)と共同研究を行なうために、同教授を宮崎大学工学部(宮崎市)に招聘するために使用する予定であった。しかし、同教授が都合により来日できないこととなったため、日本から同教授の所属する英国のシェフィールド・ハラム大学へ研究代表者が出かけて共同研究した。電子衝突によるアルゴン様イオン(K^+)の励起過程の研究を相対論的R行列法(Breit-Pauli R行列法)により励起断面積を理論的に求めた。研究の成果はこの夏に開催される「第13回多価イオン物理国際会議」で発表する。 2)水素様イオンの励起準位間の断面積及び励起反応係数を主量子数が2,3,4,5について求めた。研究の成果はこの夏に開催される「第13回多価イオン物理国際会議」で発表する。 3)プラズマ中の電子の速度分布の解析のために、Cl^<14+>(リチウム様イオン)について、励起反応係数を計算するため、励起断面積を数式で表現した。 4)Ar XIII,Ar XIV,Ar XVのイオン(Be様、B様、C様イオン)について、エネルギー固有値及び振動子強度をディラックの相対論適法により求めた。研究の成果はヨーロッパの学会誌「Astronomy and Astrophysics」に発表した。 5)電子衝突によるCaIの励起微分断面積、積分断面積及びストークス・パラメーターを相対論的R行列法(Breit-Pauli R行列法)により研究した。研究の成果は英国物理学会誌J.Phys.Bに発表した。
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