研究課題/領域番号 |
14580521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中崎 忍 宮崎大学, 工学部, 教授 (70041001)
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研究分担者 |
大崎 明彦 宮崎大学, 工学部, 教授 (70223782)
五十嵐 明則 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90300855)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 多価イオン / 励起断面積 / 励起反応係数 / R行列法 / ディラックの相対論 / ブライト・パウリの相対論 / H様イオン / He様イオン |
研究概要 |
プラズマ中においては電子と原子・イオンとの衝突が起こり、その結果電磁波が放出される。この電磁波の強度を計測することと理論的に求めた励起・電離過程などの衝突断面積を利用することにより、プラズマの温度や電子密度等を見積もることができる。本研究は励起過程について量子力学的近似法であるR行列法を適用し、相対論的を導入することの効果について研究したものである。研究には非相対論的R行列法(RMAT)、ブライト・パウリの相対論を用いた半相対論的R行列法(BPRMAT)、ディラックの相対論を用いた相対論的R行列法(DRMAT)の三つのR行列法を用いた。得られた成果は精度の高い結果であることからプラズマの電子密度及び電子温度の解析に用いることができる。研究の概要を標的の保有する電子の数毎に示す。 1.相対論的な取り扱いで生じる微細構造遷移間の励起過程をDRMAT法等によりH様イオンの主量子数nが2の準位間の励起断面積について研究し、次のことが明らかとなった。散乱電子と標的電子の電子交換効果は光学的禁止遷移では重要である。光学的許容遷移では数万に及ぶ部分波の断面積が必要である。 2.He様イオン(Z=16-26)の励起断面積を基底状態と励起状態間の遷移についてDRMAT法、BPRAT法及びRMAT法を用いて研究した。計算には45個の標的の準位を含め、基底状態と励起状態間のn=4までの励起反応係数を求めた。その際、n=5の状態との結合や共鳴がn=4の遷移に大きな影響を及ぼすことが分かった。励起断面積を入射エネルギーの関数で解析的に表現し、励起反応係数を簡単な式で表した。 3.Li様イオン(Z=17)、Be様イオン(Z=18)、B様イオン(Z=18)、C様イオン(Z=18)、Mg様イオン(Z=12-26)、Ca等について励起断面積及び偏光に関する物理量を研究し、プラズマ解析に応用できる結果を得た。
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