研究課題/領域番号 |
14580528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 努 日本大学, 理工学部, 助教授 (50179496)
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研究分担者 |
野木 靖之 日本大学, 理工学部, 教授 (90059569)
島村 信 日本大学, 理工学部, 助教授 (00059627)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 磁場反転配位プラズマ / 移送速度・位置制御 / 金属ライナーによる受動的制御 / パルス磁場員かによる能動的制御法 / n=1モード運動 / 閉じ込め磁場の磁場勾配 / 導体リング / 光学・磁気計測による内部構造計測 |
研究概要 |
磁場反転配位プラズマの速度・位置制御法として受動的方法と能動的方法が提案され実験的に試行された。受動的な方法では、閉じ込め領域に金属ライナーを設置し、移送プラズマが排除する磁束をライナーの時定数により制御しパルス磁場をFRCプラズマに加える方法である。この方法では、パルス磁場の効果は、プラズマ半径と金属ライナーの比およびライナーの時定数によって決まる。そのため、現在のプラズマパラメータの領域では、効果が小さく10km/sで入射される3mgの重水素プラズマを静止させる運動エネルギー制御できるにすぎない。しかし、移送プラズマとの同期を取るには優れている。また、ライナーに入射、出射する際にもプラズマを減速できる。能動的な方法は、閉じ込め領域内にパルスコイルを設置して、移送されて来たプラズマの動きに合わせて電流を流し移送速度を制御する。電流値と電流波形を変え、FRCプラズマを静止させたり反射させたりする。この方法では、立ち上がり時間10μs,40kAのパルス電流で3mgの重水素FRCプラズマの移送速度を最大40km/sまで制御でき、波形制御によりプラズマを静止・反射させることができることが基礎的な実験から明らかにされた。これらの結果は、系のエネルギー保存を仮定しプラズマを剛体として扱った計算シミュレーションともよく一致することが示された。 また、移送時の位置制御で問題となるn=1モードの巨視的な運動が閉じ込め磁場の磁場構造から検討された。N=1モード運動の発生は、閉じ込め磁場の磁場勾配と密接な関係があり、負の磁場勾配がある場合運動が小さくなることがわかった。プラズマの楕円率の大きなプラズマの安定性がよい。閉じこめコイル内に導体を挿入することにより磁場の構造が制御できることがわかった。 FRCプラスマの内部構造が磁場計測および光学計測から調べられた。磁気計測では、開いた磁力線領域のプラズマのβ値やエッジプラズマの厚みなどを考慮した磁気構造が明らかにされた。また、光学測定により、n=1モード運動に伴い圧力分布の非対称性が発生することが明らかになった。
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