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2003 年度 実績報告書

高放射線場におけるテクネチウムコロイドの生成機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580539
研究機関東北大学

研究代表者

関根 勉  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20154651)

キーワードテクネチウム / 放射線効果 / ナノ粒子 / 二酸化テクネチウム / 過テクネチウム酸イオン / 水溶性Tc(IV)化学種
研究概要

過テクネチウム酸イオン(TcO_4^-)を含む水溶液に放射線(電子直線加速器で得られる制動放射)を照射すると、二酸化テクネチウム水和物(TcO_2・_nH_2O)コロイドが生成することが明らかとなった。粒子サイズは、全体を通じて30-130nmの範囲であったが、照射温度が40℃の時には球形で100nm以上のものが多かった。また、照射温度が17℃ではサイズは100nm以下であって、透過型電子顕微鏡による詳細な観察により、1つのコロイド粒子は多数のナノ粒子(2-3nm)の集合体であることがわかった。電子線回折の結果、粒子はアモルファス構造であることもわかった。コロイドの生成はラジカルスカベンジャーの影響を強く受け、酸素や亜酸化窒素ガスで飽和した水溶液を照射しても容易にはコロイドが生成しなかった。逆にアルゴンガスで飽和した水液ではコロイドは生成しやすく、2〜3kGyの線量で約90%にも達した。これは過テクネチウム酸イオンが還元される過程で、水の放射線分解で生成する水和電子が重要な役割を果たしていることを裏付けている。この粒子生成は水溶液のpHの値にも影響され、pH3以上では微粒子生成が起こるのに対し、それ以下では新たな可溶性Tc(IV)化学種が生成していることが判明した。この可溶性Tc(IV)化学種は酸性水溶液中においてのみ安定であり、水溶液のpHをあげると二酸化テクネチウム水和物に変化していくことがわかった。現段階ではこの可溶性化学種の同定にまでは至っていないが、この化学種が二酸化テクネチウム微粒子の前駆体となっていることが明らかとなった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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