研究課題/領域番号 |
14580542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日引 俊 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (30228746)
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研究分担者 |
波津久 達也 東京海洋大学, 海洋工学部, 講師 (60334554)
賞雅 寛而 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (20134851)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 微小重力 / 界面積濃度 / 気液二相流 / 輸送方程式 / 混相流 / 二流体モデル / 界面輸送項 / 原子力 |
研究概要 |
機械工学、原子力工学、化学工学等、幅広い工学分野における二相流解析手法として一般的な二流体モデル(注:二相それぞれに定式化された質量、運動量、エネルギー保存式の計6式からなる方程式系)は、二相界面での相関相互作用を取り扱うことができるため、最も厳密なモデルであるとされている。しかし、二流体モデルがその真価を発揮するには、二相の相互作用の強さを表す界面輸送項(=界面積濃度×駆動力)の適切なモデル化が必要となる。 本研究では、重力場および微小重力場における細管内気泡流の界面積濃度輸送モデルの開発、データベースの構築を目的としており、流動パラメータに及ぼす重力場の影響が顕著となる低レイノルズ数条件下で、以下の研究を行った。 1.重力環境下二相流実験によるデータベースの構築。 2.界面積濃度生成項、消滅項のモデリング。 3.実験データとの比較による界面積濃度輸送方程式の妥当性の検討。 4.重力場および微小重力場に適用可能なドリフトフラックスモデルの開発を行い、データベースとの比較によりその妥当性を示した。 上記の研究成果より、重力場、微小重力場における細管内気泡流の界面積濃度輸送機構及びび微小重力場におけるドリフトフラックスモデルに関して、以下のことが明らかとなった。 1.通常重力場、低レイノルズ数領域における支配的な界面積濃度輸送機構は、ウェークエントレインメントである。 2.微小重力場、低レイノルズ数領域における支配的な界面積濃度輸送機構は、速度差エントレインメントである。 3.微小重力場こおいても管摩擦損失に起因する見かけ重力加速度が生じ、気液間の相対速度は零とはならない。 上記の研究成果より、過去10年間に渡り、論争されてきた壁面摩擦損失の存在する管内流では、微小重力場において気液間の相対速度が零にならないことを解析的、実験的に示した。上記の研究成果は、宇宙空間等の微小重力環境下における二相流応用機器設計に反映されていくものと考えられる。
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