研究課題/領域番号 |
14580543
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
井上 浩義 久留米大学, 医学部, 講師 (10213175)
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研究分担者 |
甲斐原 梢 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (90080564)
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キーワード | 放射性廃水 / 陰イオン交換濾紙膜 / ^<125>I / ^<36>Cl / EPTMAC / 電気浸透法 / 走査型電気化学顕微鏡 / 膜透過係数 |
研究概要 |
放射性廃水から放射性ヨウ素を安全かつ効率的に選択除去する目的で、陰イオン交換濾紙膜を用いた電気浸透濃縮法に関して検討した。濾紙膜はエポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを用いることによって、長繊維セルロースに高密度に四級アンモニウム基を導入することが可能となった。この結果、従来濾紙膜に比して、交換容量は約1.2倍、引張り強度は約1.4倍となった。当該濾紙膜に関して、放射性溶液濃淡系にて電気化学的測定(膜電位、膜電導度)およびイオン流束を測定した結果、放射性イオンの溶液/濾紙膜分配に基づく膜透過係数が、^<36>Clに比べて^<125>Iが約3倍大きいという放射性ヨウ素の選択除去としては良好な結果が得られた。 現在では、更に当該濾紙膜の表面における陰イオンの挙動を検討するために陰イオン選択性電極を用いて走査型電気化学顕微鏡分析を展開している。陰イオン選択性電極においてはその高感度特性を得ることは難しいが、微小キャピラリ内のキャリアを選択することによって克服していく予定である。また、同時に実用化に向けた新たな試みとして、「放射性廃水相/陰イオン交換濾紙膜/放射性廃水濃縮相」という最も単純化した系で電気浸透法を試みている。現在までに、陰イオンの移動、水の移動、および陰イオンの電極からの気化に関して知見を得ており、これらのデータを基礎として、「陰極側濃縮相/陽イオン交換膜/放射性廃水相/陰イオン交換濾紙膜/陽極側濃縮相」での評価系を立ち上げる予定である。
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