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2003 年度 実績報告書

酸性雪の雲内における硝酸塩の取りこみ機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14580545
研究機関鳥取環境大学

研究代表者

遠藤 辰雄  鳥取環境大学, 環境情報学部, 教授 (20001844)

研究分担者 高橋 庸哉  北海道教育大学, 教育実践センター, 助教授 (60236297)
キーワード酸性雪 / 霰 / エアロゾル / 硝酸塩 / 雪結晶 / 雪片 / 長距離輸送物質 / 湿性沈着
研究概要

平成14年度は北海道東部のトマムスキー場で観測し、エアロゾルは比高400mのトマム山頂近くのロープウエイ終点で観測した。降雪試料は山麓の作業場に設けた。ところが、そこは谷底にある林の中で降雪の観測には適していたが、多数の車両の排気ガスや自家発電の排気ガス等が淀み、結果的には降雪試料を化学分析してみると汚染されて高濃度の硫酸塩や塩化物が見られたので、この解析は不適当であると判断した。平成15年度は研究代表者が定年後に現研究機関に赴任した。そこで鳥取県内の大山や氷ノ山の観測候補地探しをしたが、今年は冬季の気温が高く積雪が縮退する効果が大きいことが見られ、この種の観測には不適当であることが分かった。
幸い、この研究目的と同じ内容の北極圏スバルバールのニーオルセン(北緯79度東経12度)で行った観測結果が未解析で残っていたので、ここではその解析の結果から標題の目的の研究を行うことにした。この期間は1998年12月16日から1999年1月9日までの間であり、この地方は完全な極夜であり、大気化学的条件としては、光化学反応は考慮する必要がないという興味ある環境であった。また、この時期はこの地方では比較的降雪が見られ、この時期を過ぎると全く降雪がないとされている。その降雪も量が少なくかつかなりの強風であるといわれていたのであるが、この年は大雪に恵まれ、しかも余り強風でない状態続いた。解析によって得られた知見は以下の通りである。
(1)降雪試料に含まれている化学成分はかなり低濃度ではあるが、これまでの観測結果の傾向が再確認された。それは、雲粒付の雪結晶と雲粒の全く付かない雪結晶雄である雪片は硫酸塩と硝酸塩を夫々卓越して含んでいた。
(2)雲粒の付かない雪片だけが観測された時間に環境大気の硝酸塩はエアロゾルの粗大粒子よりは微粒子の方で枯渇した状態が発見された。
(3)また雲粒無しの雪結晶が降る時の降雪試料にかなりの高濃度の硝酸塩が検出され、それと同時に同じ濃度の水素イオンが測定された。このことから、雲粒の付かない雪結晶の表面では硝酸ガスそのものを物理吸着の形でとりこんでいるものと考察される。
(4)3日間に亘る環時間の連続する降雪の途中から硝酸塩が枯渇するする現象が発見された。これも光化学反応が起こらないためであると考えられる。
(5)以上のことを総合的に考察すると硝酸塩もまた長距離輸送される大気汚染物質であると考えることが出来る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Endoh, T.Takahashi et al.: "Polar night investigation of chemical components in fresh snow particles and aerosol/gas in the atmosphere at Ny-Aelesund"Proceeding of 14^<th> ICCP (Bologna, Italy). 14. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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