研究課題/領域番号 |
14580548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 (2004) 岐阜大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
井上 隆信 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00184755)
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研究分担者 |
松井 佳彦 岐阜大学, 工学部, 教授 (00173790)
松下 拓 岐阜大学, 工学部, 助手 (30283401)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 懸濁態リン / 藻類利用可能性リン / 河川 / 流出負荷 |
研究概要 |
明谷川および長良川流域で調査採取した河川水中懸濁物質および流域土壌を用いて、化学的連続抽出法による懸濁態リンの分画実験と藻類増殖試験を行った。連続抽出法では懸濁態リンを9成分に分画し、藻類増殖試験では、リン源として懸濁態リンのみを添加した。 その結果以下の知見を得た。 1)降雨時流出懸濁態リンの主成分は塩基可溶性無機リン、有機態リン、Fe,Mn結合無機態リンであり、全体の75〜90%を占めた。また微生物分解などにより比較的早く利用される有機態リンは概ね30〜40%程度であった。 2)森林表層土壌は有機態リンが50%ほど含まれており、ほぼ100%が生物利用可能であった。水田土壌は施肥由来と考えられるFe,Mn結合無機リン、吸着リンが40%を占め、90%が生物利用可能であった。 3)懸濁態リンの流出源である流域の土壌や底質中のリンを用いた藻類増殖試験により、懸濁態リンが藻類増殖に利用されていることが明らかになった。 4)藻類増殖試験では、森林表層土壌に含まれるリンは60%程度が藻類に利用され、水田土壌は90%近くが利用された。 5)藻類に利用可能と考えられている分画から求めた藻類利用可能態リンの懸濁態リンに占める比率は75〜90%であり、藻類増殖試験から求めた値は30%程度であった。流域土壌の藻類利用可能態リンの比率も連続抽出法で求めた場合が、藻類増殖試験で求めた場合よりも高くなった。 これらの結果から、連続抽出法により、藻類利用可能態リンを定量評価することは可能であると考えられる。ただし、どの分画が藻類に利用されるかは、対応が必ずしも明確にされていないため、今後さらに検討する必要がある。本研究において、藻類利用可能態リンの定量方法の方向性を示すことができた。今後、連続抽出法を改良し、藻類増殖試験を組み合わせてどの分画が藻類利用可能リンかを明らかにすることで、藻類利用可能態リンの定量法が確立できる。
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