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2002 年度 実績報告書

農耕地を起源とするダイオキシン類の拡散に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580551
研究機関愛媛大学

研究代表者

河野 公栄  愛媛大学, 農学部, 助教授 (50116927)

キーワードダイオキシン類 / PCDD / DFs / コプラナーPCBs / 化学物質汚染 / 土壌汚染 / 水系汚染 / 生物濃縮 / 環境動態
研究概要

ダイオキシン類は、従来の環境汚染物質とは異なり非意図的に人間活動で生成する化学物質として特徴付けられ、汚染の現状とその推移について社会的関心が高い。特に、我が国は農薬の不純物として含まれていたダイオキシン類の農薬散布にともなう農耕地土壌汚染が顕著で、欧米に見られない特異的な汚染を惹き起こしていると云える。従って欧米における研究例を参考にわが国の汚染を考究することは困難で、わが国独自の調査・研究を展開する必要がある。そこで本研究課題では、農耕地における汚染の現状、農耕地から河川への流出機構、河川から海に至る汚染の拡大とそのメカニズムおよび水圏における魚介類への濃縮機構など、多面的にわが国におけるダイオキシン類の環境動態及びヒトを含む生物蓄積の特性を検討するものである。今年度は農耕地を中心に各種の土壌におけるダイオキシン類濃度とその給源、さらに農耕地を集水域とする陸水に生息する魚類の汚染実態とその給源について検討した。その結果、水田土壌中のダイオキシン類は農薬由来の1,3,6,8-TCDD,1,3,7,9-TCDDおよびOCDDが高濃度を呈する特徴的な残留組成を示し農薬散布の影響を呈した。さらに陸水に生息するオオクチバスなどの淡水魚中にもそれらの特徴的な組成が見られ農薬由来のダイオキシン類による汚染影響が示唆された。次に陸域から海域への拡散を解明するために瀬戸内海沿岸域の海水及び貝類試料についても検討した結果、燃焼生成ダイオキシン類とともに農薬由来のダイオキシン類汚染が海域まで拡大し、沿岸域に生息する貝類に取り込まれていることが明らかとなった。同一海域の海水中濃度と貝類中濃度を用いて生物濃縮係数を算出したところ、PCDDsは約760〜9,200、PCDFsは約660〜12,500、コプラナーPCBsは約11,000〜270,000であり、濃縮性はコプラナーPCBsが比較的大きく、次いでPCDDs及びPCDFsであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 河野 公栄 他: "松山平野における底質中ダイオキシン類の分布と挙動"環境化学. 12. 89-96 (2002)

  • [文献書誌] 河野 公栄 他: "松山平野における魚体内中ダイオキシン類の蓄積特性"環境毒性学会詩. 5. 21-31 (2002)

  • [文献書誌] 河野 公栄 他: "瀬戸内海沿岸海域の貝類におけるダイオキシン類の蓄積特性-その2-"第11回環境化学討論会 講演要旨集. 268-269 (2002)

  • [文献書誌] 河野 公栄 他: "市販野菜におけるダイオキシン類レベル"第11回環境化学討論会 講演要旨集. 274-275 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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