低周波振動音の波長は音速が遅いため長くヽしかも音圧減衰が低いため、音波は長距離まで伝搬する。そのため、音源発生源を同定する場合、音波到来伝搬角度を精確に求める必要がある。伝搬角度の推定誤差の原因として、1)他の音源からの音波の混入による信号対雑音比の低下。2)音波伝播距離が長いことによる影響。音波伝播過程で、気温、湿度、、気圧等の気象条件の違いにより、音速が変化し、その結果、音波に位相変調が生じ、マイクロホン・アレー間の位相が伝播距離と線形関係にならない。また、風の影響も音波到来方向の角度推定の誤差に現れる。3)波長が長いことによる回折波の発生等が無視できなくなり、超分解能手法であるMUSIC法の使用できない場合がある。 これらの欠点を取りj除く、MUSIC法を用いる前処理として遺伝的アルゴリズムを用いた空間平均法を提案した。しかし、着目する音源の周波数が低いため、マイクロホンのアレー長は50mを超えることもあり、都内で実際に測定するには問題がある。それを解決するために、音響インテシティ法を提案した。 8個のエレクレット・マイクロホンからなる直線マイクロホン・アレーを作成し、80Hzの正弦波信号を拡声器から放射し、MUSIC法を用いて音源到来方、向を推定した.SN比が弱い事による測定環境悪い中で5度以内の精度で音波到来方向を推定できた。また、回折波の影響が強く、精度に直接影響するので、多重反射の問題を解決する必要がある。直線マイクロホン・アレーを用いた手法と並行して、4個のエレクレット・マイクロホンを用いて、3次元音響インテシティを作成した。音響インテンティはマイ、クロホン対を用いるシステムであるが、到来方向の精度を高めるには振幅周波数特性と位湘周波数特性を揃えなければならない。この条件は並置法校正により、伝達関数を計測じた後、補正を施すためのディジタル信号処理を用いることにより解決した。無響室で3次元音響インテシティの方向推定を行い、性能を調べた段階で、ある。今後は、3次元音響インテシティを2点以上の観測点に設置し、音環境の保全に寄与できる方法を検討する。
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