研究課題/領域番号 |
14580558
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
忽那 周三 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理研究部門・光利用グループ, 主任研究員 (60344131)
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研究分担者 |
廣川 淳 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科・物質環境科学専攻, 助教授 (20262115)
高見 昭憲 (独)国立環境研究所, 大気圏環境研究領域・大気反応研究室, 主任研究員 (00262030)
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キーワード | AGAGE / メチルクロロホルム / OH大気濃度 / 大気中不均一反応 / 粘土鉱物 / インピンジングフロー法 / 化学イオン化質量分析計 / 濡れ壁反応管 |
研究概要 |
OH大気濃度変動に関するAGAGE等の観測データ解析では、メチルクロロホルム(CH_3CCI_3)の対流圏除去過程として、OHとの反応と海洋への溶解のみが考慮されている。25種類の標準粘土鉱物試料のCH_3CCI_3分解反応活性について閉鎖循環式反応装置を用いて調べ、環境条件下でCH_3CCI_3の塩化水素脱離反応が進行すること(反応確率約10^<-9>及び砂漠地表面中の粘土鉱物によるCH_3CCI_3の分解が有意な除去過程となる可能性のあることを示した。また、AGAGE観測データのCH_3CCI_3濃度減少エピソードと観測大気塊の砂漠上空通過の相関について考察した。 OH消失機構として注目されているエアロゾルへの取り込みについて、インピンジングフロー法により、NO_2、SO_2、の純水および種々の溶液に対する取り込み係数を測定した。その結果、NO_2で過酸化水素水、ヒドロキノン水溶液などで純水に比べ取り込み係数が大きくなることを見出した。ヒドロキノンの場合について解析した結果から、液相反応により取り込みが増大したと考えられた。一方、擬似海水では、NO_2、SO_2の場合ともに取り込み係数に変化はみられなかった。 OH生成機構に関連する反応性ハロゲン種の観測用に開発した化学イオン化質量分析計について、水蒸気の干渉を臭素(Br_2)について検討した。その結果、水蒸気共存下においては、試薬イオンが水蒸気との会合イオンを形成するために試薬イオンピークによる規格化が適用できないが、水蒸気との会合イオンの強度も含めてピーク強度を規格化することにより、水蒸気濃度に依存しないBr_2検出感度の得られることがわかった。濡れ壁反応管を製作し、上記化学イオン化質量分析計を用いて、Br_2の純水への取り込み係数を測定し、シミュレーション結果等と比較して、Br_2の純水への取り込みは液相反応律速であることを明らかにした。
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