研究課題/領域番号 |
14580561
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 信夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90111426)
|
研究分担者 |
鈴木 敏和 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70270527)
唐田 清伸 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90345017)
喜多 和子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80302545)
菅谷 茂 千葉大学, 医学部, 教務職員 (90334177)
|
キーワード | バイスタンダード効果 / X線 / 紫外線 / 突然変異 / 血清因子 / シャペロン / DNA修復 / 生活習慣 |
研究概要 |
申請者はヒト個体において、紫外線(UVC)やX線、あるいは、変異原性化学物質などにより遺伝子変異が誘導される際、その誘導感受性を調節する生理機能が存在することを見出している。本研究では、この生理機能の生活習慣との関連調査やこの機能の分子機構を解明し、さらにバイスタンダード効果と共通の分子的基盤が存在するかを明らかにする。初年度は、次の3項目について研究成果を得ている。 1.変異誘導調節に関わる細胞外調節分子の解析:健常喫煙者の血清について、カラーカラムにより分画した、画分液を添加処理した培養ヒト細胞で、紫外線による変異誘導を促進する現象が見出された。その際、細胞内のHSP90やGRP78/Bipシャペロン分子の発現変動が連動していた。 2.変異誘導調節の細胞内メジエーターであるシャペロン分子類の機能分析:GRP78/Bipについては、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理により紫外線誘導突然変異の促進が見られ、変異誘導の抑制に関わるとの示唆を得た。さらに、GRP78/BipのセンスDNA、あるいは、アンチセンスDNAを導入して発現量を増減させた培養ヒト細胞を樹立し、紫外線によるDNA損傷の修復との関わりを調べた。その結果、シクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)や6-4光産物などの障害修復過程に、GRP78/Bipタンパクが関わることが示唆された。 3.バイスタンダード効果の確認とバイスタンダード因子の検索:培養ヒト細胞にX線(3Gy)照射または紫外線(8J/m^2)照射した後採取した培養液で、未照射細胞を培養し、細胞の放射線感受性を調べている。X線と紫外線いずれの場合の培養液も、非照射細胞からの培養液と同様、細胞の生存率への影響は見られなかった。現在、変異誘導への影響を調査中である。
|