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2003 年度 実績報告書

ダニ抗原誘発性気管支喘息に対する黄砂の影響評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580572
研究機関大分県立看護科学大学

研究代表者

市瀬 孝道  大分県立看護科学大学, 看護学部・人間科学講座・生体反応学, 教授 (50124334)

研究分担者 定金 香里  大分県立看護科学大学, 看護学部・人間科学講座・生体反応学, 助手 (20322381)
キーワード黄砂 / アレルギー / 肺 / 毒性 / 炎症 / サイトカイン / ケモカイン / マウス
研究概要

我々は平成14年度においては、3種類の黄砂(中国シャパトウ砂漠から採取した黄砂、シャパトウ黄砂に硫酸塩をコーティングしたもの、中国北京市より黄砂現象時に大気中から採取した降下煤塵)が抗原によって誘発される気管支喘息モデルの病態(好酸球性の気道炎症や粘液細胞の過剰増生)を著しく悪化すること、抗原特異的-IgEやIgG1抗体産生に対するアジュバント作用があることを見出した。この実験において黄砂の種類によってそのアレルギーに対する反応が異なることが分った。
本年度はこの原因を明らかにするために各々の黄砂の成分、表面に付着した微生物学的な毒性成分等の含量を測定して、これらの黄砂の肺への影響を比較した。本年度はこれらの黄砂に中国のマオウス砂漠より採取した黄砂も加えた。
これら4種類の黄砂や降下煤塵にはSO_4^<2->,Cl^-,NO_3^-や微生物由来の毒性成分のLPS(リポポリサッカライド),β-グルカンが含まれていた。特に降下煤塵のこれらの含有量が高かった。しかし、4種類の粒子の元素(主にSi, Al, Ca, Fe)量は、ほぼ同レベルであった。これらの黄砂をICRマウスに週に1回、4回、気管内投与し、肺への影響を調べた。その結果、黄砂は気管支肺炎や肺胞炎を惹起し、中でも降下煤塵は他の黄砂に比較して著しい好中球性の炎症を誘発することが明になった。また、黄砂は活性酸素によるDNA損傷(8-hydroxy-doxyguanosinの形成)をも引き起こすことも見出した。この炎症惹起作用は黄砂に付着したLPS,β-グルカンや硫酸塩等である可能性を示唆する結果を得た。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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