研究概要 |
本年度は、暴露実験手法の確立と試験試料の作成を行い、動物を用いて検討した。 1)アーク放電発生器により、ナノ粒子を実験動物に短期暴露が可能であることを確認した。又、粒径分布をSMPS, ELPI,低圧インパクターで測定し、その結果、測定値のバラツキが多いことが判り、現在精度アップとキャリブレーション法を検討中。 2)吸入ナノ粒子の肺組織への移行速度を計測するために、粒径が既知のカーボンブラック、二酸化チタン、ディーゼル排出粒子をローダミンB,フルオロエッセン蛍光試薬でコーティングした試料を作成した。この試料を用いて、マウスで粒子の投与濃度、屠殺時間等を現在検討中。又、非蛍光処理ナノ粒子を気管内に投与して、肺組織での肺胞マクロファージや肺胞上皮細胞での取り込みについて、電顕SEM, TEMで検討中。 3)ナノ粒子の生体影響を評価するための指標として、心機能ではテレメトリーシステムによる心拍数、HRV等の解析を、肺機能では呼吸数、Vt, VE,の無麻酔、無拘束下での測定を、肺組織では各種炎症マーカー、特にエンドセリンやケモカインの遺伝子レベルでの発現量と蛋白レベルでの測定を、心組織ではANP, BNPの遺伝子レベルでの発現量を測定し、その有用性を確認した。 4)高血圧モデル動物であるダール岩井ラットにテレメトリーを埋め込み、8%高食塩飼料投与下でナノ粒子のカーボンブラックを単回投与して、心拍数、呼吸数、HRVを持続測定中。
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