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2004 年度 実績報告書

マイクロアレイCGH法を用いたヒトゲノムGC含量境界領域における突然変異の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580579
研究機関(財)放射線影響研究所

研究代表者

小平 美江子  財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 副主任研究員 (60344412)

研究分担者 高橋 規郎  財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 副部長(研究員) (40333546)
キーワードヒトゲノムGC含量境界領域 / マイクロアレイCGH法 / 放射線 / 突然変異
研究概要

ヒトゲノムの塩基配列から計算されるGC含量のモザイク構造とゲノムDNAの高次構造や機能的性質との関わりから、GC含量の境界領域での遺伝的不安定性や放射線照射に対する感受性に興味をもって研究を行ってきた。
放射線照射後誘発される突然変異は、主に大きな欠失変異であるといわれているので、我々は大きな欠失を効率良く検出し得る方法として、マイクロアレイCGH法を開発している。放射線による欠失変異の誘発頻度は高くないと予想されるので、はじめに、モデル実験として、マイクアレイCGH法を用いて、放射線で生じたHPRT欠失変異株の解析を行い、欠失端とその周辺におけるGC含量の関係を調べた。しかし、欠失端がGC含量の境界領域に集中する証拠は得られなかった(15年度報告)。
本年度は、本研究で分離した放射線照射によるHPRT領域欠失細胞株のうち6株について、11番染色体上でGC含量の境界領域と定義されている2ヶ所の領域、合計約8Mbを含むアレイ(66種類のBACまたはPACでカバーされている)を用いて欠失を検索する予定であった。しかし、放射線による欠失変異の誘発頻度が高くないので、特定領域だけでなく、可能な限り多くの領域を調べた方が良いと考え、当研究室で既に準備が終了している全ゲノムを約1MbごとにカバーするBACも含むアレイを作製し、全ゲノムにおける欠失変異の検索を行った。この検索で、6株中3株において、それぞれ7,8,12番染色体に約10Mbから12Mbの大きな欠失を検出した。現在、その欠失端とGC含量の境界領域との関係、それ以外に特徴があるかどうかの解析を行っている。放射線による欠失変異のスペクトラムを明らかにし、放射線の影響を受けやすい領域についての特徴等の情報を得ることは、今後の放射線誘発突然変異と生物学的影響を研究していく上で重要である。
本年度のもう一つの計画は、上述と同じBAC・DNAを付着させたアレイを用いて、原爆被爆者の子供80人のDNAを検索することであった。しかし、生殖細胞で新たに生じた欠失変異は検出されなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] A Genome Scanning Approach to Assess the Genetic Effects of Radiation in Mice and Humans2004

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Asakawa
    • 雑誌名

      Radiation Research 161

      ページ: 380-390

  • [雑誌論文] No Evidence of Radiation Effect on Mutation Rates at Hypervariable Minisatellite Loci in the Germ Cells of Atomic Bomb Survivors2004

    • 著者名/発表者名
      Mieko Kodaira
    • 雑誌名

      Radiation Research 162

      ページ: 350-356

  • [雑誌論文] 広範囲 血液・尿化学検査、免疫学的検査、その数値をどう読むか(第6版)VII.血球化学検査:ホスホグルコムターゼ(PGM)2004

    • 著者名/発表者名
      高橋 規郎
    • 雑誌名

      日本臨牀 62巻(増刊号)

      ページ: 804-808

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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