研究概要 |
本年度は下記の無機細孔材料を調製し特性を評価した。 1 チタン酸:酸化チタンと炭酸カリウムを混合して焼成し四チタン酸カリウムを得、酸処理により四チタン酸を得た。四チタン酸はチタン(IV)酸化物八面体からなる屈曲した屏風型層状構造をもち、層は交換性プロトンをもつ.四チタン酸に対するナトリウムイオンおよびカリウムイオンの吸着等温線を求めた.吸着量は,弱酸である層のプロトンとの交換によりpHの増加とともに増加するが,反応は層間の吸着イオン間の反発のため抑制を受けることがわかった.交換プロトンは層および層間に水分子として存在するものと考えられた. 2 層状二酸化マンガン(バーネサイト):過酸化水素-水酸化ナトリウム混合溶液にマンガン(II)塩を加え,湿式酸化によってバーネサイトを得た.バーネサイトは,マンガン(IV)の一部がマンガン(III)に置換されているため負電荷をもち層状構造をとる.酸処理によって層間カチオンをプロトンに置換してプロピルアミンと反応させたところ,この分子は層間に進入し層間距離が増大した. 3 ハイドロタルサイト:マグネシウムとアルミニウムの硝酸塩混合溶液を水酸化ナトリウム溶液に添加し,複水酸化物(ハイドロタルサイト)を得た.ハイドロタルサイトはマグネシウムの一部がアルミニウムイオンで置換されているため正電荷をもち,層状構造をとる.層間の硝酸イオンとの交換によりATP陰イオンが取り込まれ,層間距離が増大した.
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