研究課題/領域番号 |
14580588
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高月 紘 京都大学, 環境保全センター, 教授 (80026228)
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研究分担者 |
水谷 聡 京都大学, 環境保全センター, 助手 (80283654)
渡辺 信久 京都大学, 環境保全センター, 助教授 (10291212)
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キーワード | 家庭系有害廃棄物 / 家電製品 / がらくたごみ / 退蔵 / 電池 / 環境意識 / アンケート調査 / 排出実態 |
研究概要 |
家庭由来の有害廃棄物の量的な把握と、中間処理時の化学物質の挙動を把握するため、京都市に大型ごみ等として排出される家電製品の種類と量を調査した。自治体の廃棄物処理施設における排出実態調査と、アンケートによる市民の環境意識調査を行った。 排出実態調査としては、大型ごみ搬入施設で搬入ごみを目視で確認するとともに、がらくたごみとして引取要請のあったごみを展開して、排出されている家電製品を調べた。 大型ごみ中には、掃除機や炊飯器、照明器具、ビデオデッキ、テープレコーダー、ラジカセなどが多く排出されており、全家電製品では1日平均で約380台が排出されていた。がらくたごみ135点を展開して調べたところ、ポット、アイロン、キーボード、電話、ゲーム機など、小型の家電製品を中心に50種類、161台が確認された。また廃棄された携帯電話や電話の子機、リモコン,ハンドクリーナー、おもちゃ類に電池が含まれたまま排出されており、中間処理過程で重金属類が混入する一因となっていることが確認された。 また市民意識を調査するために、家電製品の1)保有や排出に関する実態、2)処理方法の現状に関する意識、3)新しい排出ルートが出来た場合の意識・行動変化、について、京都市内の547世帯を対象として、アンケート調査を実施した。冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの大型家電製品は新規購入に当たって古い機種が廃棄されるが、携帯電話やパソコンは、古い機種を家に持ち帰り、使わないまま、家庭内にため込む"退蔵"の割合が17〜24%と高いことが分かった。これらは最終的にがらくたごみとして排出される可能性が高く、デポジットシステムなどが必要であると思われた。また電池については、含まれていることが意識されていないケースも多く、廃棄時の対応策について詳しい情報を提供していく必要があると思われた。
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