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2002 年度 実績報告書

河川生態系の健全性評価に基づく流域生態系の管理

研究課題

研究課題/領域番号 14580590
研究機関愛媛大学

研究代表者

大森 浩二  愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 助教授 (10152258)

キーワード河川生態系 / 健全性評価 / 流域生態系管理
研究概要

長野県大町市の中綱湖と下流の木崎湖を結ぶ河川の流出口直下の流下物には、太量の有機物片が含まれていた。また、微細な懸濁物を濾過食するコガタシマトビケラ類が多量に出現したが、大型の懸濁物食者は見られなかった。また、河床のレキは大きく角張ったものであった。木崎湖の流人口では丸みを帯びたレキ層が出現し、コガタシマトビケラ類と共に大型のヒゲナガカワトビケラも多く分布していた。また、木崎湖の流出口より下流の大きなレキのある瀬で採集を行ったが、濾過食者としてはコガタシマトビケラ類が分布するだけであった。更に下流の地点で、多層のレキが出現し、コガタシマトビケラ類と共にヒゲナガカワトビケラも生息していた。この大型のトビケラには大きな流下有機物片の存在及びその生息場所として丸みを帯びたレキ層が必要であるが、かれらはレキの下面に分布することが多く、流量変動によるレキ間の浮遊物を溜めない過程も必要と考えられる。
芦田川水系の八田原ダム堤体直下より下流に従って、森林性有機物(落葉片等)は増加し、微細な懸濁物の量は低下するが水生昆虫相は貧弱なままである。しかし、阿佐川の合流点より下流側において、丸みを帯びたレキ層が出現し大型のヒゲナガカワトビケラ類が分布していた。更に下流の芦田川本流と御調川の合流点である大渡橋では総窒素濃度は約1ppmで、また、総窒素に対する無機態窒素の濃度比が、季節的に大きく変動し夏期低く冬期高くなっていた。これに対し、合流点より下流側の地点で総窒素濃度は3ppmをこえ、無機態窒素の濃度比は不規則に小さく変動するようになる。芦田川では、藻類食者のアユの密度は低い。懸濁物食者に加えて一次生産者による無機態窒素の有機化を抑えうる程度の藻類食者がいると総窒素濃度が1ppm以下の条件で総窒素に対する無機態窒素の濃度比の季節変化がより小さくなると河川生態系モデルから予測され検証する必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Abe, S., Iguchi, K., Ito, S., Uchida, Y., Ohnichi, H., Omori, K.: "Habitat use of the grazing goby (Sicyopterus japonicus) in response to spatial heterogeneity in riparian shade"Journal of Freshwater Ecology. 18(1). 161-167 (2003)

  • [文献書誌] 大森浩二: "生物撹拌による温暖化ガス放出"日本水産学会誌. 68(5). 740-741 (2002)

  • [文献書誌] 大森浩二(分担): "ベントス"東海大出版会(印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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