研究概要 |
有機塩素化合物として、直鎖飽和化合物(塩化エチル)、直鎖不飽和化合物(塩化アリル)、芳香族化合物(クロロベンゼン)を用い、燃焼反応中における有害物生成機構の解明を目指し、研究を行った。燃焼反応機構解明の基礎となる、塩化エチルの熱分解主生成物(エチレン、アセチレン、1,3-ブタジエン、水素)、塩化アリルの熱分解主生成物(アレン、プロピン、プロピレン、1,3-ブタジエン、エチレン、アセチレン、ビニルアセチレン、メタン、ベンゼン、水素)、クロロベンゼンの熱分解主生成物(ベンゼン、アセチレン、ビニルアセチレン、水素)の量と温度の関係を解明した。又種々の温度で、300μs以内の反応物量、生成物量、中間生成物であるのラジカル量の経時変化を測定し、決定した。解明した測定結果を基に素反応、速度定数等を決定し、熱分解反応機構の構築を行った。塩化エチル、塩化アリル、クロロベンゼンのそれぞれに酸素を加えた各種の燃焼用試料を使用して、温度と生成物量の関係、更に種々の温度におけるOHラジカルの経時変化、更に最終生成物である二酸化炭素の生成速度と温度の関係を解明した。上述の熱分解反応機構と燃焼反応結果を基にこれらの燃焼反応機構の構築を試みた。クロロベンゼンの燃焼反応に関しては素反応数238個、化学種数93個の反応を使用する事により、測定結果の再現が可能な燃焼反応機構の構築に成功し、反応経路を明らかにした。又再現可能な速度定数を決定した。塩化アリルの燃焼反応に関しては素反応数189個、化学種数60個から成る反応を使用する事により、測定結果の再現が可能な燃焼反応機構の構築に成功し、反応経路を明らかにした。塩化エチルの燃焼反応に関しては素反応数362個、化学種数89個から成る反応機構を構築し、測定結果の再現を試みている。ガスマスの測定・解析より、塩化アリル、クロロベンゼンの高温反応では、多環芳香族炭化水素及び含塩素多環芳香族化合物の生成を確認した。しかし塩化エチルにおいては、それらはほとんど生成されない事が分かった。更に、本条件下で多量に生成される有害物質は塩化水素であることが明らかとなった。
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