研究課題
基盤研究(C)
下水をはじめとする有機性廃水の処理には、活性汚泥法などの微生物処理法が広く採用されているが、処理時間が長く、しかも窒素と燐リンの除去率は低い。近年の環境水の富栄養化防止には窒素とリン除去は必須であり、求められる処理システムは、処理時間が短く、維持管理が容易であることが必要不可欠である。本研究は、微生物処理の前に懸濁物を除去すれば微生物による処理時間を短縮できると考え、短時間に懸濁物を除去する方法として、凝集・泡沫分離法を適用し、リンも同時に除去できるシステムを構築した。15年度は「凝集・泡沫分離→上向流式ろ過(担体充填:フロックとBOD除去)→硝化(担体:同じ)→脱窒」システムを構築したが、上向流式ろ過の酸欠と脱窒槽における酸素の巻き込みなどがあったものの、処理水窒素濃度を2.8mg/Lまで処理できた。処理時間は16時間も要した。システムを単純化するため泡沫分離プロセスを除いて「担体投入型BOD除去槽→担体投入型硝化槽→担体投入型脱窒槽」なるシステムを再構築した。担体はNKK社製Bio-Tubeを用いた。全処理時間を16、8、4時間について検討した。その結果、全処理時間8時間での総合除去率は84.7%、SS87.9%、TOC76.5%、T-N90.2%、T-P20%であった。16年度はさらにシステムを改良し、全処理時間8、6、4時間について、「凝集・泡沫分離プロセス」を設けない場合と設ける場合を比較した。その結果、処理水の水質は前処理として凝集・泡沫分離プロセスを加えた方が確実に向上し、至適全処理時間は僅か6時間でよいことが明らかとなった。その処理水の水質(除去率%)は、濁度5.11TU(89.3%)、SS6.2mg/L(84.2%)、BOD7.1mg/L(91.0)、TOC4.5mg/L(89.3%)、T-N2.78(91.3%)、T-P0.14mg/L(92.3%)が得られ、今日採用されている高度処理法より特にT-NとT-Pの除去率が全処理時間は1/3である。本法は画期的な高速高度理法であることが明らかとなった。
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