研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は循環型社会への移行の必要性とその中での物流活動の重要性を提言するために、動脈・静脈を一元化した循環型物流と効果の評価、廃棄物の利用の技術ポテンシャルシステムの提案、具体的な評価を実験データに基づいて行うことの3点にある。この3年間の間に、廃家電の共同配送効果、プラスチックごみと可燃ごみの処理技術評価、木屑(バイオマス)のトライジェネレーション評価の拡大と統合化を行った。共同配送の評価では、初年度に関東地域を対象としてテレビ・エアコンディショナー・洗濯機・冷蔵庫の四製品の販売と収集のネットワークモデルを構築し、廃家電の発生と処理工場への輸送システム、さらに回収した廃家電をプラスチック、金属等の物質発生量に詳細化し、それぞれにマテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクル導入による評価を行い、LCAの視点からCO2排出削減効果を評価した。廃棄物の再資源化評価研究では、柏市の一般ごみ排出データを対象とし、昨年度のプラスチック処理、木・竹・わらなどへのガス溶融発電、ガス化複合発電、ガス溶融炉、生分解プラスチックの導入効果評価モデルに、近年注目されている解体木造家屋の評価を加えた。解体木造家屋の発生重量を予測し、これをガス化した際のガスの構成比を実験により求め、廃棄物の効率的な処理方法を評価するモデル開発を行った。本研究では、ガス化してタービン発電に投入するコジェネだけでなく、発生する水素を直接販売するトライジェネレーションを、単なる熱・物質バランスだけでなく、プロセスシミュレータを用い具体的な設計を行った。以上は、いずれもエネルギー資源学会、電気学会で口頭発表するとともに、論文として掲載された。研究の成果は引き続き投稿を予定している。
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