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2002 年度 実績報告書

キラルな骨格を有する新規人工核酸の合成と分子認識

研究課題

研究課題/領域番号 14580607
研究機関東京大学

研究代表者

和田 猛  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90240548)

キーワード人工核酸 / 核酸類縁ポリエステル / 脱水縮合反応 / 固相合成 / 保護基 / 光学活性セリン / ラセミ化 / チミン
研究概要

本研究の目的は,キラルなバックボーンを有する新規人工核酸の合成を行い,骨格のキラリティーに基づく高次構造形成能,分子認識能を調べることである。本年度は,まず光学活性セリンを基本骨格とする新規核酸類縁ポリエステルの合成を計画し,光学活性モノマーユニットの合成反応,エステル結合生成反応、保護基の除去条件の検討を行った。塩基部に保護基を必要としないチミン誘導体に関して検討を行い,光学純度99.5%以上のモノマーユニットを合成することができた。次に得られたモノマーを縮合し、2量体の合成を行った。脱水縮合剤に関して詳細に検討したところ,短時間かつ高収率でエステル結合を生成することができる新しい試薬を開発することに成功した。エステル結合生成反応においてラセミ化は全く観察されず,オリゴマー合成も可能であることが示唆された。また,カルボキシ末端の保護基について種々検討したところ,2-フェニル-2-(トリメチルシリル)エチル基が有効であることがわかった。この保護基はフッ化物イオンと反応し,エステル結合を損なうこと無く脱保護可能であった。次に、固相合成法によるオリゴマーの合成を試みた。固相担体とモノマーを連結するリンカーとして,フッ化物イオンとの反応により切断可能な化合物を合成し,固相担体への導入反応、切断反応,モノマーユニットの結合反応について詳細に検討した。本研究で開発した新規脱水縮合剤を用いると,液相合成と同様に,固相担体上でも良好な収率でエステル結合を生成できることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Oka, N., Wada, T., Saigo, K.: "Diastereocontrolled Synthesis of Dinucleoside Phosphorothioates Using a Novel Activators, Dialkyl(cyanomethyl)ammonium Tetrafluoroborates"J.Am.Chem.Soc.. 124・18. 4962-4963 (2002)

  • [文献書誌] Wada, T., Shimizu, M., Oka, N., Saigo, K.: "A New Boranophosphorylation Reaction for the Synthesis of Deoxyribonucleoside Bora nophosphates"Tetrahedron Letters. 43・23. 4137-4140 (2002)

  • [文献書誌] Wada, T., Oka, N., Saigo, K: "Stereocontrolled synthesis of Phsphorothioal DNA by the Oxazaphospholidine Approach"Antisenso. 69. 89-103 (2002)

  • [文献書誌] Wada, T., Shimazaki, T., Nakagawa, S., Ohtsuki, T., Kurata, S., Watanabe, K., Saigo, K.: "Chemical Synthesisi of Novel Taurine-containing Uridine Derivertives"Nucleic Acids Res., Suppl.. 2. 11-12 (2002)

  • [文献書誌] Wada, T., Oka, N., Saigo, K: "Reaction Mechanism for the Stereoselective internucl eotidic Bond Formation by the Oxazaphospholidine Approach"Nucleic Acids Res., Suppl.. 2. 153-154 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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