研究課題/領域番号 |
14580608
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
丹羽 治樹 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20135297)
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研究分担者 |
牧 昌次郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20266349)
平野 誉 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20238380)
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キーワード | 発光生物 / 生物発光 / 発光ゴカイ / Odontosyllis / ルシフェリン / ルシフェラーゼ / ベッコウヒカリウミウシ / 単離 |
研究概要 |
幾つかの新規生物発光系についてルシフェリンの探索研究を進めた。まづ日本海で棲息する発光ゴカイ(Odontosyllis)の発光系について検討した。富山県魚津市海岸で発光ゴカイを採集し、ただちにドライアイスで凍結した。凍結資料をメタンール抽出し、粗ルシフェリンを得た。一方発光ゴカイを10mM炭酸アンモニウムで抽出し、粗ルシフェラーゼ溶液を得た。両者を混合すると、発光が観測された。発光スペクトルを測定したところ、天然の発光ゴカイと同様の発光スペクトルが得られたことから、この発光ゴカイの発光系はルシフェリンルシフェラーゼ反応を示し、ルシフェリンはメタノール抽出できることが判明した.発光ゴカイの採集量は約100匹程度で、十分量とは言い難いが、予備試験的にルシフェリンの単離を試みた。HPLCでの分離条件を種々検討したところ、発光ゴカイのルシフェリンは水溶性が高く、また酸性解離基を有していることが示唆された。一方、浜名湖にて発光ウミウシの一種、ベッコウヒカリウミウシを採集した。この発光ウミウシは刺激により、約510nm付近に発光極大を持つ発光性粘液の放出が観察された。予備試験的にルシフェリン/ルシフェラーゼ反応を検討した。すなわちこの発光ウミウシを熱水抽出したものと、刺激により放出した発光を粘液含む海水を、発光がおさまった後、混合したところ、発光が確認された。このことからベッコウヒカリウミウシの発光系はルシフェリンルシフェラーゼ反応を示すことが示唆された。これらの知見に基づき、ルシフェリンの単離をめざす。
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