研究概要 |
ソメイヨシノ(Prunus yedoensis Matsumura)の花弁を採集し、EtOH抽出・溶媒留去して抽出物を得た。その抽出物をAcOEtと水で分配、その水層をBuOHと水でさらに分配し、AcOEt画分、BuOH画分、水画分の3画分を得た。 まず、抗酸化活性の検討のため、この3画分の抗酸化活性をDPPHラジカル補足活性試験を用いて比較したところ、BuOH画分に活性が見られた。そこでこのBuOH画分を抗酸化活性を指標としてこの画分の分離を行った結果、caffeic acidとp-coumaric acidの各glucose esterが大量に単離された。さらにrutinとquercetin3-O-lathyrosideが抗酸化活性成分として単離された。 抗炎症活性のアッセイとして、バラ科植物の花弁がアレルギー症状に効果があるという報告もあることから、マウス腹腔マクロファージのNO産生阻害活性を最初に分配で得た3画分で試験した。その結果、AcOEt画分に活性が見られたことから、AcOEt画分についても成分検索を行った。AcOEt画分をシリカゲルカラムおよびHPLCを用いて分離精製した結果、quercetin、kaenpferolとそれぞれの3-O-glucoside, quercetin3-O-galactosideが単離された。 さらに、食用のトウヒシの果皮の抗酸化・抗炎症成分の探索を行ったところ、主要成分の一つである2,3,4,6-tetragalloyl glucoseに強い抗酸化活性とともにNO産生阻害活性があることが見いだされた。
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