研究課題/領域番号 |
14580630
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
柴垣 芳夫 北里大学, 薬学部, 講師 (90235565)
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研究分担者 |
水本 清久 北里大学, 薬学部, 教授 (80092344)
久武 幸司 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70271236)
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キーワード | キャッピング酵素 / キャップ構造 / in vitro転写反応 / リン酸化CTD / 転写開始反応 |
研究概要 |
(1)Boronate Affinity Gel Electrophoresis(BAGE法)を用いたCapped RNA検出系の改良(柴垣) アクリルアミドの誘導体として知られるN-acrynoyl-3-aminophenyl boronic acidを用いたポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、より効率よくキャップ構造を持つRNAとキャップ構造を持たないRNAを電気泳動によって分離解析する条件の検討を行った結果、〜500ntのRNAについてキャップの有無により移動度に差が出る泳動条件を見いだした。 (2)キャッピング酵素の転写反応への関与(柴垣、久武) 転写される領域に一定の問隔をおいてC残基を挿入した特殊な鋳型DNA(C-less cassette)を作成ビオチン化し、アビジンを結合させたマグネチックビーズに固定化し、固定化鋳型DNAを作成した。HeLa細胞核抽出液を用いたin vitro転写系に固定化鋳型DNAを加え、転写開始複合体を形成させた。転写開始複合体を穏和な条件で洗浄を繰り返すとキャッピング酵素は容易に転写開始複合体より遊離した。この転写開始複合体に精製キャッピング酵素を添加し、反応系よりCTPを除いた条件で転写反応を行わせるとC-less cassetteに依存した長さの転写産物が得られ、しかも転写産物にはキャップが付加されていた。キャップの付加が転写反応に依存して起こるのか否かを調べる為に、あらかじめ合成しておいたRNAを転写伸長反応時に添加したところ、外から添加したRNAに比べ、転写と同時にキャッピング反応が起こったものの方がキャッピングの効率が良かった。このことは、キャッピングが転写反応と共役して起こっていることを示すものであり、転写とキャッピングが共役して検出できるin vitro転写系の確立は今後キャッピング酵素の転写反応への関与を調べるうえで有用である。現在、この系を用いて、転写反応を伸長途中で停止させた転写伸長複合体中のキャッピング酵素の動向について検討を行っている。
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