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2002 年度 実績報告書

NO合成酵素機能ドメインと細胞内活性制御分子との相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 14580640
研究機関東北大学

研究代表者

佐上 郁子  東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (10143033)

キーワード一酸化窒素合成酵素 / カルモデュリン / カベオリン / 情報伝達 / 部位特異的変異体 / 蛋白-蛋白相互作用
研究概要

本研究では、神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の活性やヘムの還元速度に対するカルモデュリン(CaM)や細胞内膜構造蛋白質であるカベオリンの添加効果および蛋白-蛋白相互作用を解析することによってNOS活性の生体内分子による制御機構を明らかにすることを目的としている。
NOSは、神経細胞や血管内平滑筋等の情報伝達物質のNOの合成を触媒する重要な酵素であり、ヘムを含むオキシゲナーゼドメインと還元酵素ドメインの二つのドメインからなる複合酵素である。NOSの反応活性は、両ドメインの間に存在するCa2+/CaM結合部位へのCaMの結合によって制御されている。また最近カベオリンが、G蛋白やSrcやRas,三量体G蛋白質などのシグナル伝達物質に結合すると同様に、NOSにも結合しその機能を制御していることがわかった。本研究では、nNOSの機能ドメインとCaM、カベオリンなどの生体分子によるNOSの反応の制御機構を解明するために、nNOSの変異体を用いて、分子内電子伝達機構を解析をおこなっている。
(1)nNOSの変異体作製:nNOSの様々な変異体の大腸菌発現系を構築した。nNOSのカルモデュリン(CaM)結合部位を含むあるいは含まないオキシゲナーゼドメインのみのタンパク質や還元酵素ドメインのみのタンパク質、さらにはCaM結合に対する自己阻害配列の部位特異的変異体、C末端のある欠失変異体の発現プラスミドを作製した。また、カベオリンの認識配列といわれるドメインの点変異体を作成した。それぞれ変異体タンパク質を、大腸菌で発現し、各種アフィニテイ-クロマトを用いて精製した。
(2)変異体の反応解析とCaMおよびカベオリンの効果:nNOSの野生型と変異体のNO合成活性や還元酵素活性,嫌気ボックス内でのヘム還元速度などの活性に対するカベオリンペプチドやCaMの添加効果を調べた。特に欠失変異体のCaM存在下あるいは非存在下での活性に対するカベオリンペプチドの阻害効果をみることによって、NOSの反応のどこの段階をカベオリンが阻害しているかを解析した。その結果、血管内皮型のeNOSの場合と異なる阻害様式が明らかになった。また、カベオリンはCaMの結合ドメインの存在には無関係に、オキシゲナーゼドメインにも還元酵素ドメインにも結合することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Simona Bengea, Ikuko Sagami, Toru Shimizu: "CO Binding to the Isolated Oxygenase Domain of Neuronal Nitric Oxide Synthase"J. Inorganic Biochemistry. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Jyoti Yadav, Ikuko Sagami, Toru Shimizu: "Cyanide Binding Study of Neuronal Nitric Oxide Synthase"J. Inorganic Biochemistry. (in press). (2003)

  • [文献書誌] 佐上 郁子: "部位特異的アミノ酸置換"新タンパク質科学実験法(大島泰郎、鈴木紘一、藤井義明、村松喬編). 2. 160-173 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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