研究課題/領域番号 |
14580641
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
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研究分担者 |
張 旭紅 山形大学, 医学部, 助手 (10292442)
佐藤 道比古 山形大学, 医学部, 助教授 (00135344)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / 酸素活性化機構 / ヘムの分解 / CO / ビリベルジン / ビリルビン / ビリベルジン還元酵素 |
研究概要 |
申請時では原核植物である藍草のSynHO-1の発現系を確率したばかりであった。その後精製法を確立した。藍草HO-1によるヘム分解反応は動物や病原性細菌による分解機構とほぼ同じであったが、細部では異なっていた。これはヘムポケットの構造が違っており、そのため、酸素活性化に関与するアミノ酸残基、電子伝達経路が微妙に違っていることに起因するらしい。 各段階での酸素活性化機構を解明する一助として第二、第三段階での基質、生成物特異性をラットHO-1を用いて検討した。第二段階での反応ではヒドロキシヘムの四つの異性体の全てが対応するベルドヘムに転換できたのに対し、第三段階の反応ではαベルドヘムのみがαビリベルジンに酸化され、他の三つのベルドヘムは対応するビリベルジンには転換できず、おそらく非酵素的反応で壊されてしまうという結果を得た。これは第三段階ではベルドヘムの鉄に結合した活性化酸素がヘムポケットの構造によって制限を受け、α位しか酸化できないためであり、第二段階では酸素活性化にはヒドロキシヘムの鉄が関与しないためと推測された。 昆虫では酸素運搬にはヘモグロビンは利用しないが、呼吸鎖やシトクロムP-450を構成するプロトヘムは必須である。従って、ヘムオキシゲナーゼも存在する筈であるが、これまで報告はなかった。ショウジョウバエの遺伝子に動物酵素とホモロジーの高い配列が存在したので、これを基に発現系と精製法を確立した。次年度には昆虫のヘム分解機構も併せて解明する。
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