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2002 年度 実績報告書

造血微小環境における細胞間相互作用の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14580654
研究機関東京理科大学

研究代表者

辻 孝  東京理科大学, 基礎工学部・生物工学科, 助教授 (50339131)

研究分担者 水野 健作  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
キーワード造血微小環境 / ストローマ細胞 / 造血幹細胞 / 細胞骨格 / 低分子量Gタンパク質 / インテグリン
研究概要

造血幹細胞は骨髄に存在し、その増殖と分化は非血球細胞である間質系のストローマ細胞による"場のシグナル"によって厳密に制御されていると考えられている。初年度である本年度は、研究計画に従い下記の項目について明らかにした。
(1)造血幹・前駆細胞の浸潤に関する定量的解析方法の確立
ストローマ細胞は、われわれが樹立した造血幹細胞の自己複製誘導活性の高いHESS-M28細胞を用いた。多分化能を有するヒト赤芽球系白血病細胞株、HEL細胞は、種々の系列の分化型細胞株と比較して高い浸潤活性を示し、その反応は造血幹・前駆細胞と類似していた。そのため、これら2種の細胞を解析に用いた。定量的解析は、顕微鏡の一定エリアに存在するHEL細胞について、浸潤細胞と接着細胞を区別して測定し、両者の比率から全細胞数に対する浸潤細胞の比率から定量化する系を確立した。
(2)造血幹・前駆細胞の浸潤を誘導する細胞表面分子の解析
上記共培養系に細胞接着分子に対する中和抗体を添加して、HEL細胞の浸潤を抑制する抗体をスクリーニングした。その結果、抗ヒトCD29抗体が浸潤阻害効果を示したことからHEL細胞上に存在するインテグリンβ1鎖を含む接着分子が浸潤を誘導していることが明らかになった。
(3)造血幹・前駆細胞の浸潤における細胞内情報伝達経路の解析
HEL細胞の浸潤では細胞の突起伸長など、細胞の形態が大きく変化して達成される。これはインテグリン経路から低分子量Gタンパク質(rho, rac, cdc42)により、主としてアクチンの骨格制御が誘導されている可能性が高いと考えられる。そこでこれら低分子量Gタンパク質の不活性型をHEL細胞へ導入し、強制発現させて浸潤に及ぼす効果を解析した。その結果、いずれの不活性型分子でも有意に浸潤が抑制されたことから、HEL細胞の浸潤に低分子量Gタンパク質経路が深く関与していることが明らかになった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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