研究概要 |
hEld1およびhEld2とSWI/SNF構成タンパク質であるBRGおよびBRMとの相互作用について、内因性のhEldやBRG, BRMを発現しないC33A細胞にtransientに全長に近いhEld-1とBRGまたはBRMおよびhEld-2とBRGまたはBRMを同時に発現させてimmunoprecipitationにより調べたところ、hEld1とhEld2はともにBRGおよびBRMの両者と結合することが分かった。hEld-1とhEld-2との間で相同性の高いC末端から約650アミノ酸の領域をもちいても同様の結果が得られ、この領域がBRGおよびGRMとの結合に重要であることが分かった。さらにin vitroのtranscription/translationにより発現させ、S-35で標識したBRGおよびBRMのフラグメントは大腸菌において発現させ、精製したhEld-1とhEld-2のC-末端領域に非常によく似た特徴を持って結合した。このことはhEld1およびhEld2とBRGおよびBRMの間の結合が非常によく似た性質を持つことを示すと同時に、両者間の結合が、細胞内の他のタンパク質を介すのではなく、直接の相互作用によるものであることを示している。 hEld1およびhEld2のglucocorticoid receptor(GR)を介する転写活性化への関与について、hEld-2を発現しないT47D細胞にGRとhEld-1またはhEld-2をtransientに発現させた場合、dexamethasone存在下でGR応答性のXG46TLレポーターの発現が上昇し、hEld1およびhEld2はGRを介した転写を上昇させる作用をもつことが明かとなった。このような転写活性化はhEld1およびhEld2のC-末端部分の相同性の高い領域のみを発現させた場合には認められず、それ以外の部分が必要であることが明らかとなった。
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