研究課題/領域番号 |
14580684
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山中 邦俊 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (90212290)
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研究分担者 |
小椋 光 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00158825)
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キーワード | AAAタンパク質 / ATPase / 分子シャペロン / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / 遺伝性痙性対麻痺 / 線虫 |
研究概要 |
1.パラプレジンのRNAiでは、胚性致死・幼虫致死・成長遅延が観察された。進行性の運動能低下も観察された。組織化学的検討及び電顕観察からミトコンドリア異常を認めた。これらのことは線虫が遺伝性痙性対麻痺の解明に向けてのモデルになりうることを示している。同じ遺伝性疾患を引き起こすスパスチンのRNAiでは欠損は観察されなかった。 2.Fidgetinホモログに関してはRNAiによりこれが欠損すると生殖腺形成不全、その結果として不稔になることを昨年度に明らかにした。ゲノムリソースセンターからfidgetin欠失線虫を分与頂いた。その結果、染色体上でfidgetin欠失をホモで持つとRNAiで観察されたのと同じ表現型が観察された。このことはfidgetinは初期発生には必要ではなく、形態形成特に生殖腺形成に必須であることを示している。 3.バキュロウイルスを用いた昆虫細胞系でATPase活性を持つfidgetinタンパク質を精製することに成功した。種々の変異体も作製し、同様に精製した。この中で現在まで報告がなかった位置に存在するシステイン残基が活性に重要であることを見いだした。さらにはATP加水分解機構として提唱されていた「分子間触媒機構」を強く支持する結果を得た。 4.2種類のp97/VCP遺伝子のそれぞれの欠損変異体を入手し解析した。どちらの変異体も野生体に比べて成長速度が遅くなっていた。運動能や化学走性などには異常は観察されなかった。C06A1.1遺伝子の欠損変異体は、生まれる子供の数が約半分になっていた。これは産生される精子の数の減少に起因していると考えられる。
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