研究課題/領域番号 |
14580713
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
春本 晃江 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (80198936)
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研究分担者 |
飯尾 英夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80145771)
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キーワード | ブレファリズマ / 接合 / 繊毛虫 / PCR / ガモン / 未熟期 / サブトラクション / プロモーター |
研究概要 |
本研究は、繊毛虫の接合がどのような機構で開始されるのかについて分子的な機構を明らかにしようとしている。 本年度は以下の研究を行った。 1.ガモン1合成の調節機構の解明 前年度明らかにしたゲノムのガモン1配列を基にしてinverse PCRを行い、ガモン1遺伝子の5'側上流配列の解析を行った。その結果、プロモーター配列とその上流にPSE様の調節配列があることがわかった。今後はさらに上流の配列を調べ、これらの配列がどのようにガモン1の発現を調節しているかを解析して行きたい。 2.接合誘導時に発現される遺伝子の同定 ガモン1により接合が誘導された細胞では様々な遺伝子が活性化される。接合に至るシグナル伝達経路を明らかにするために、今回、ガモンで処理した細胞と処理していない細胞との間でサブトラクションを行い、処理した細胞に特異的に発現される遺伝子の同定に取り組んだ。その結果、接合誘導に関わると思われるいくつかの興味深い遺伝子を同定することができた。 3.未熟期から成熟期へのガモン1の発現調節の解析 繊毛虫には、接合後一定の分裂回数の間は接合に入ることができない未熟期があり、この長さは分裂回数により遺伝的に決められている。今回ガモン1の発現が未熟期から成熟期でどのように調節されているかを調べた。 その結果、未熟期の間はガモン1は発現されず、成熟期になって初めて発現され、その調節は転写レベルで行われていることが明らかになった。 4.発現ベクターを用いたガモン1大量発現系の構築 前年度に引き続き、ガモン1遺伝子を発現ベクターに組込み、大腸菌で発現させる系の開発に取り組んだ。これまでのベクターでは、合成されたガモン1が可溶性の分画に回収できなかったため、新しくGSTを用いて融合タンパク質を合成させる系の開発を行った。
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