1 下オリーブ核肥大反応の実験的作成(山田、高橋):C57BL正常マウス(生後15週)20匹を対象として片側下オリーブ核肥大の実験的作成を行った。ケタラールによる深麻酔下にマウスの後頭部を正中で皮切後、バイポーラ凝固装置(AESCULAP社)で止血しつつ後頭部の筋を剥離し、後頭骨左側半分を露出した。歯科用ドリル(モリタ製作所)で後頭骨に径約2mmの小孔を開け、バイポーラ凝固装置で左小脳深部(小脳核)を凝固した。術野を消毒後、皮膚を縫合し、マウスをマウス用ケージ内で自由行動にて飼育した。手術による神経症状は認められなかった。 2 核酸抽出と発現遺伝子解析用試料の作製(山田):手術4週後、麻酔薬の過剰投与によってマウスを安楽死させ、脳を摘出した。実体顕微鏡(OLYMPUS社)下に延髄を切り出し、正中断にて下オリーブ核肥大側と対側の2種の試料を収集した。各試料からtotal RNA(ISOGEN使用、Nippon Gene社)を抽出、RNeasy mini kit(QIAGEN社)を用いてtotal RNAを精製した。T7-(dT)24 Primerを用い逆転写反応でdouble strand cDNAを作製し、精製後、BioArray HighYield RNA Transcript Labeling Kit(ENZO社)を用いてビオチン標識cRNAを作製した。 3 発現遺伝子解析(山田、高橋):ビオチン標識cRNAを断片化した後、マウス遺伝子発現解析用プローブアレイ(GeneChip、Affymetrix社)にハイブリダイズした。ストレプトアビジンーフィコエリスリンを反応させた後、GeneChip核酸解析システム(Affymetrix社)を用いて発現遺伝子を解析中である。
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