研究概要 |
下オリーブ核肥大反応の実験的作成(山田、高橋)ならびに発現遺伝子解析用試料の作製(山田):C57BL/6J正常マウス(生後15週)20匹を対象として片側下オリーブ核肥大の実験的作成を行った。手術4週後、麻酔薬の過剰投与によってマウスを安楽死させ、脳を摘出した。実体顕微鏡(OLYMPUS社)下に延髄を切り出し、正中断にて下オリーブ核肥大側と対側の2種の試料を収集した。各試料からtotal RNA(ISOGEN使用、Nippon Gene社)を抽出、RNeasy mini kit(QIAGEN社)を用いてtotal RNAを精製した。T7-(dT)24 Primerを用い逆転写反応でdouble strand cDNAを作製し、精製後、BioArray HighYield RNA Transcript Labeling Kit(ENZO社)を用いてビオチン標識cRNAを作製した。 発現遺伝子解析(山田、高橋):ビオチン標識cRNAを断片化した後、マウス遺伝子発現解析用プローブアレイ(GeneChip、Affymetrix社)にハイブリダイズした。ストレプトアビジンーフィコエリスリンを反応させた後、GeneChip核酸解析システム(Affymetrix社)を用いて発現遺伝子を解析した。解析した遺伝子約36,900種中、発現増加は約890種(2.41%)、発現低下は約530種(1.44%)であった。発現が増加している分子で最大の差は111.4倍であった。64倍以上が2種、32-64倍が10種、16-32倍が27種、8-16倍が95種であった。発現亢進遺伝子には転写因子、シナプス関連分子などの分子が多数含まれる一方、機能が全く未知のものは33%程度であった。ユビキチン関連分子、シャペロン分子は少なくとも十数種が確認された
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