研究課題/領域番号 |
14580727
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
相見 良成 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助手 (20231756)
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研究分担者 |
松尾 明典 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助手 (20324585)
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キーワード | pChAT / コリンアセチル基転位酵素 / 蛍光共鳴エネルギー転移 / FRET / スプライス異型 / 組織化学法 |
研究概要 |
本研究の目的は、我々が新規に見いだしたコリンアセチル基転位酵素のスプライス異型(pChAT)を対象にして、mRNAスプライシング異型の局在を弁別し検出するための蛍光共鳴エネルギー転位(FRET)現象を応用した組織化学法、すなわち「in situ FRET法」を確立し、組織特異的なChAT mRNAスプライス異型の発現パターンを形態学的に明らかにすることである。この目的に沿い、15年度に試験管内でのスプライス異型の弁別検出を試みた。試験管レベルでは標準試料中の各異型の存在を、FRET法にて分別観察出来ることが確認できた。16年度はこの方法の組織応用を試みた。組織応用の前段階として行った、組織からの抽出mRNAを鋳型にした試験管レベルの検討から、単なる組織内FRET法では形態観察に必要な蛍光シグナルが充分に得られない、という問題が浮かび上がった。そこで組織内でさらにPCRを加える「in situ PCR法」を合わせておこなう方法を検討しているが、満足な結果を得るには至っていない。一方で「in situ FRET法」確立に向けての組織化学的データ採取の一環として行ったpChATの局在の免疫染色のデータからは、15年度に、腸管では従来のChATとpChATが別々の神経に存在し、かつ隣接して混在することを明らかにし、また16年度には知覚神経系でpChATが強く発現することを報告した。これらの結果はpChATの組織特異的な発現の詳細を明らかにするのみならず、「in situ FRET法」の確立に向けて、感度改善などの実験を遂行する上での重要な基礎データとなっている。
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